2024.03.15
洗濯は家事の中でも毎日やる・動きが多い家事でもあります。この洗濯に関わる家事動線を自分に合った設計にしておくことでストレスフリーな家になります。プランニングにおける乾太くんのベストな使い方や、洗面脱衣室の考え方についてもわかりやすく解説。
新築を検討していると、必ずと言っていいほど出会うキーワード「家事動線」について。
特に、今回は家事の中でも「洗濯」にフォーカスして、洗濯に関わる家事をラクにするような考え方や、間取りプランを設計する時の参考になるポイントをまとめました。
今回の記事を参考に、富山ならではの洗濯の悩み等も解決しましょう。
それでは、今回の記事の要点です。
・洗濯機を置く場所の「考え方」を柔軟にしてみると、自分に合った洗濯にまつわるベストな動線が思いつきやすい
・富山ではランドリールームが人気ではあるものの、建築面積が大きくなる側面があるため、乾太くんの併用でランドリールームをコンパクトに
・洗面も必ずしも「洗面所」にないといけないわけではないが、デザインと建築に馴染ませることが重要となり、プランニングとデザインの掛け合わせが難しい
・注文住宅はハウスメーカーによってプランニングの仕方も異なり、自分たちの考え方を実現できそうな会社を、施工事例やブログ等を参考に選びましょう
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1. 洗濯機をどこに置くか問題
一般的に、洗濯機は洗面脱衣室に配置されることが多いです。
洗面脱衣室の2畳のスペースに、洗濯機と洗面が並んで置かれているパターンが最も一般的な配置となります。
この配置が多い理由としては、お風呂に入る際に着ていたものをそのまま洗濯機に入れておくことができる点です。
しかし、洗濯機を置くと一気に洗面空間に「生活感」が出てしまう点がデメリットでもあります。
ホテルライクが流行っている今、生活感をなんとか消しつつも、利便性も兼ね備えたい…と思う方も少なくないでしょう。
そんな悩ましい洗濯機の置き場について考察していきましょう。
1−1. 洗濯機置き場・洗面所・脱衣室を分離する考え方
この表題にある3つは、いわゆる一般的な洗面脱衣室に集約されている要素です。
しかし、この3つは本来それぞれ役割が異なるため、分離することで生活感を抑えたり、使い勝手がよくなることにもつながります。
一見、1つの部屋に集約されている方が「家事動線の効率化」にもつながるような気がするかと思いますが、実はそうとも限らない場合もあります。
ココは価値観次第ですが、1つの部屋で集約して固めて家事を行いたいのであれば、一般的な洗面脱衣室の考え方で良いでしょう。
しかし、これを分離することによるメリットも参考にしてみて下さい。
2. 洗面脱衣室の役割を分解する
洗濯機・洗面・脱衣それぞれを分解するメリットは、ごちゃごちゃさせないこと。
YUIでは、お風呂に隣接する部屋を「脱衣室」とするケースがあります。
理由は、洗面化粧台と同じ部屋にしないことで「入浴時間」と「洗面所を使う時間」をズラすことなく、家族でも気兼ねなく生活することができるためです。
部屋をわけることは、他の家族が使っている時間での制限が少なくなり、ストレスフリーで家事がしやすくなる側面があります。
このように、平面図だけを見ていると分からないことにまで想像をして検討することは、間取りプランを考える上では非常に重要なことです。
2−1. 富山ではランドリールームを上手く活用
出典:ホテルライクで機能的な家
富山では冬でも雪の影響で湿気が高く、洗濯物が乾きにくいですよね。
共働き家庭も多く、お子さんの体操服が翌日までしっかり乾かないといった悩みを持っている方も多いエリアでもあります。
新築時の要望で多いランドリールームですが、メリットは生活感をその部屋に閉じ込めて、洗濯物を気兼ねなく干すことができること。
一方で、家全体の大きさが大きくなることから、建築コスト面では安い設備ではないと言えます。
2−2. 乾太くん(ガス乾燥機)を活用すると建築面積を圧縮化
画像引用:リンナイ
そこで注目は、ランドリールームの代わりとして人気が高いガス乾燥機の「乾太くん」の出番です。
洗濯物を乾かすだけの目的でランドリールームを設計するのであれば、乾太くんで代用することも可能です。
ランニングコストは1回あたり約80円、毎日使ったとしても月額2,500円程度と意外と高すぎない値段となっています。
洗濯機を置く場所に乾太くんを併設しておくと、洗濯・乾燥が1つの場所で完結でき、ランドリールームを最小限にできます。
衣類を全く干さないというのは現実的ではないので、最低限干すスペースは確保しておきましょう。
2−3. 洗面化粧台は必ずしも洗面室でなくてもよい
出典:立ち止まって感じる心地よさ|永楽町モデル
当然ではありますが、洗面化粧台は洗面脱衣室のような部屋の中にある、という先入観を持っている方が多いです。
洗面専用の「部屋」にしてしまうと、その分面積を取ってしまうため、化粧台のデザインを建築に馴染ませて廊下を洗面所と兼用するテクニックもあります。
上の富山市永楽町モデルは、廊下と洗面所を併用している事例です。
洗面台のデザインを上質にし、建築に馴染ませることで建築面積も圧縮すること、使い勝手との両立も図ることができます。
3. ランドリールームで生活感を出さない工夫
出典:プライベートテラス広がるモダンハウス
そして、乾太くんを導入していても最低限の洗濯物を干す場所を確保したいものです。
ここで気を抜くと生活感が出てくる原因に。
一昔前はホスクリーンが通例でしたが、昨今はデザインを優先したい方にアイアンのハンガーパイプが人気です。(取り外したい方はホスクリーン)
さらに、乾太くんは半埋め込みで前面だけ見えるようにしておくとデザイン的にも生活感を抑えることができます。
4. YUIでの洗面まわり・ランドリールームの施工事例
4−1. 事例1
出典:YUI Instagramサンルーム特集
1件目は家事動線を1本に繋いだ間取りです。
写真奥側がキッチン、そして乾太くんがあるランドリールーム、一番手前側が脱衣室となっています。
ランドリールームでは、洗濯物を干すだけでなく乾太くんに上のカウンターでアイロンがけなどの作業をすることもできます。
また、先ほど解説した通り、家事を行うランドリールームと脱衣室を分離しているため、家族が洗濯物を干している時などにお風呂から出てきても脱衣室内で着替えなどができるようになっています。
まさに気兼ねなく暮らせる間取りです。
4−2. 事例2
出典:YUI Instagramサンルーム特集
ファミリークローゼットと隣接している洗面脱衣室です。
こちらの事例は、洗面・脱衣・ランドリー3つの機能を1つの部屋に集約しているため、洗面所としては比較的大きなスペースを取っています。
ここで生活感をできるだけ抑えるためのポイントは、下記の点。
・洗面のカウンターを造作にして、作業台と一体化
・天井の物干しバーには、森田アルミ工業のアイアンパイプを採用しオシャレに
・建具は引戸で家事の邪魔にならないだけでなく、天井吊りにすることでスッキリ魅せる
このように配慮することで「野暮ったい洗面所」にならずに済みます。
4−3. 事例3
出典:YUI Instagram
3例目は機能性を重視したランドリールームです。
まず、このランドリールームはファミリークローゼットと脱衣室それぞれに行けるような間取りになっているので、下記のような流れで洗濯がスムーズにすすみます。
① お風呂に入る前に脱いだ洗濯物をココで洗濯
② ランドリールームで乾燥させる・干す
③ ランドリールームで乾いた洗濯物を畳む
④ 隣のファミリークローゼットに持っていく
このように洗濯に関わる作業がその場、もしくは隣に持っていくだけで完結するような動線になっています。
また、写真左手前にある深いボウルの洗面「スロップシンク」(一般名称)は、お子さんの靴を洗ったり、アウトドアやペット用品などを洗うのにも適しています。
すなわち、動線の利便性だけでなくランドリールーム内の機能面も充実したプランであると言えます。
5. まとめと参考になる記事
洗濯は毎日する家事であり、料理より動きが多い家事です。
せっかく注文住宅にするのであれば、このように様々な間取り・デザイン設計が可能となる醍醐味を活かしたいですよね。
しかし、注文住宅であればどこでも同じことができるわけではありません。
施工事例や、その住宅の考え方などを参考にして、本当に自分たちの理想を叶えることができる会社を選びましょう。
YUIでは、他にも水まわりに関する家事動線のブログ、洗面所まわりのブログも過去記事としてありますので、参考にご覧ください。
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