3. 使い方に合わせた動線の考え方・特徴
家事動線を単純に短くするよりも、料理や洗濯といった家事を行うエリアごとに固めることに重点が置かれた考え方です。
ただ、そう言ってもリビングなどを挟んで離すことは少なく、階段の上下で料理エリアと洗濯風呂エリアを分けたり、通路を挟んでゾーン分けすることが多いです。
メリットとしては、例えば洗濯であれば洗濯に関わる部屋を隣接させることで、1つの作業に集中しやすいことです。
一方のデメリットは、家事ゾーンを分けたことによってお子さんの様子を常時見るのが難しくなることです。
解決策として、例えば家事室にいる時間が長くなるのであれば、見守りカメラを設置する・室内窓を設けるといった方法もありますが、どうしてもお子さんが小さい場合、デメリットの比重が重くなる可能性が高いです。
また、この考え方は計画性を持って順序よく段取りしながら家事を進めたい方が向いており、ご家族構成や考え方によって選んでみましょう。
3-1. ゾーンで分ける生活上の+α
家事動線をゾーンで分けるメリットはもう1つあり、それは家事を行う気持ちの切り替えができることです。
家事動線が離れていると、歩いて移動している間に ” 一息入れる ” こともできるため、家事動線をあえて離すことで「慌ただしい暮らしのリズム」を減らすことに繋がるのではないでしょうか。
夫婦で家事を分担する家庭が増えていますが、お互いの作業が細かい部分まで見えないことで(空間としては繋がっているが)、それぞれの ” やり方 ” が見えずストレスを抱えずに済む、という側面もあります。
また、場所が近過ぎると、ふたりで家事をしている時や、朝の忙しい時間帯などにぶつかりがちです。
夫婦・お子さん、お互いの雰囲気・気配は感じつつ、お互いのペースや個性を尊重する生活という選択肢もあっても良いと結では考えています。
もちろん、使いやすさと両立できる間取りが重要です。
例えば城川原モデルでは、立地に対してリビングの心地よさを優先しており、料理のエリア(2階)と洗濯収納のエリア(1階)を階段を隔てて分離しています。
実際の使いやすさを考えて、城川原モデルでは階段がゾーンを分ける役割になっていますが、距離としてはそこまで離れていませんが、家事エリアとしては分離しています。