家づくりコラム

2023.01.27

コラムコンパクトな家(30坪台)の間取りで後悔しないための設計のコツ

富山県では30坪台の住宅はコンパクトな部類に入ります。平均よりコンパクトな住宅を設計する場合の注意点や、住んでからの満足度を下げないためのコツなどを紹介していきます。小さいが故に差が出やすいため、設計力のある会社選びが大事になってきます。

 

最近、資材費高騰や土地のサイズのコンパクト化、家族構成の変化に伴い、コンパクトな家が徐々に増えつつあります。

 

富山県では、おおむね30坪前半は「コンパクトな家」の部類に入るといっても過言ではないでしょう。

 

30坪台の間取りを考える場合の設計上の注意しておきたいポイント、そして実際の住み心地や狭く感じないの?といった疑問にもお応えする内容になっています。

 

それでは、まず今回の記事の要点をみていきましょう。

 

 

富山県は家のサイズが全国一大きい県であり、平均延床面積は約44坪

 

・年々、全国的にもコンパクト化の傾向はありつつ、昨今の資材費高騰・インフレの影響でコンパクト化が急激に進んでいる(予算圧縮を目的として)

 

・和室の必要性や、廊下と収納の使い方の工夫といた間取り上の工夫や、空間を広く魅せるためのコツを組み合わせることで床面積以上の広がりを感じることができる

 

30坪台のコンパクトなモデルハウスが23年1月から期間限定でオープン。予約ページは記事下から。

 

 

1. データで見る家の延床面積

富山県は家の平均延床面積が全国1位

出典:国土交通省(令和3年度)

 

北陸地方は全国的に見ても住宅が大きい傾向にありますが、そのなかでも特に富山県は家の平均延床面積が飛びぬけて大きく、全国1位(トップ継続中)になっています。

 

上図のように平均で145.17㎡(約44坪)となっており、郊外では50坪を超える家も少なくありません。

 

要因としては、昔からの県民性・共働きが多い・土地を親から譲り受ける方が多い、といったことが考えられます。

 

土地の坪単価も他エリアと比べて高い方ではないため、費用を建物にかけやすい、というメリットもあります。

 

 

1-1. 令和での変化

住宅のコンパクト化が進む背景

出典:穏やかな陽が差し込む、ぬくもりの平屋

 

一方、社会背景からもコンパクトな家が増えています

 

昔に比べて3世代で暮らす方が減少してきたことや、高齢になると介護施設へ入居することが一般的になってきて必要な部屋数が減少している、といった社会背景があります。

 

また、ミニマリストだけではありませんが、モノの所有を最小限にする考え方が増えてきたことも要因の1つではないでしょうか。

 

富山県だけを見ても平成20年度は平均値155㎡(このときも全国1位)と、今に比べて10㎡以上広かったところから、年々コンパクト化の傾向にあります。

 

そして資材費が世界的に高騰しているため、総予算を抑えようと思うと坪数削減を考える方が、この1~2年で増加しコンパクト化が急激に進んでいます

 

2. 30坪以下の間取りで取り入れたいポイント

それでは、30坪台の間取りを考える上での考え方をみていきましょう。

 

ご自身の考え方に照らし合わせながら、読みすすめてみてください。

 

2-1. 和室の必要性を再考

どうしても客間がないと不安、と思ったりリビングの横にゴロッとなれる部屋がほしい、と思う方も多いですが、コンパクト化を考えるのであれば必要性を再考しましょう。

30坪以下の間取りでの和室の必要性

出典:ゆとりの暮らしに辿りつく家

 

単純に和室がなければ、全体の坪数をコンパクトにできます。

 

和室でなくとも、気軽に座れるリビングという考え方もあり、和室で何をするのか、だれがどれぐらい滞在するのか、といったことは冷静に考えましょう。

 

2-2. 水まわりのコンパクト化

30坪以下の間取りでの水回りのコンパクト化
出典:開放的で美しいデザインの家

 

サンルームのニーズが高い富山県ですが、乾燥機を導入してサンルームをなくしたり、洗面「室」をやめて通路の一角に洗面所を設けるといった工夫もよいでしょう。

 

事例写真では、洗面を建具で区切らない設計になっています。

 

このような場合、見えてもストレスにならない洗面のデザインも重要な要素であり、デザインによってコンパクト化を図る、と言い換えても良いでしょう。

 

2-3. 通路とウォークイン収納を兼用

30坪以下の間取りで通路と収納の兼用

出典:ゆとりの日常・片付く暮らしがつづく家

 

家の設計をコンパクト化するテクニックの1つですが、通路とウォークインクローゼットを重ねるという手法です。

 

人によっては扉で仕切っておきたい、という方もいると思いますが、見えても良い、と割り切ると意外と良い面が見えてきます。

 

家事動線と適材適所の収納を組み合わせると、アクセスしやすい収納にもなり、考え方によっては「コンパクト化」と「家事動線」の一石二鳥の設計になります。

 

あとは新築に引っ越す際にモノを減らす、というミニマリストを意識してみるとよいでしょう。

 

2-4. オープン階段

30坪以下の間取りでのオープン階段の導入

出典:プライベートテラス広がるモダンハウス

 

箱型階段と呼ばれる階段は、1階で1坪、2階で1坪分の面積を専有してしまう反面、オープン階段はリビングなどの空間と兼用できます。

 

吹抜を創りたい、でも家はできるだけコンパクトに抑えたい、という方にもピッタリの手法になります。

 

2-5. 空間の広がりを感じられる設計

30坪以下の間取りで重要な空間の広がり

出典:借景のある2階リビングの家

 

比較的コンパクトな住宅の場合、空間の広がりを感じるような工夫を盛り込まないと、「思ったより狭い」といった不満につながります。

 

空間の広がりには面積以外では、「天井高」「家具などの配置」「視線の抜け」の3つを上手く組み合わせるコトで、延床面積はコンパクトでも開放感のある家を創ることができます。

 

細かく知りたい方は、部屋を広く感じるために考えるべき3つのポイントと広く感じる事例3選 も合わせてご覧ください。

 

3. 30坪台の結の施工事例

 

3-1. 2階建て(33.02坪)

30坪以下で階層をうまく生かした間取り事例

出典:暮らしを奏でる、音楽でつながる家

 

LDKの中心に1坪ほどのスキップフロアを設けており、LDKのパノラマウィンドウから横に抜ける視線と、吹き抜けから上に広がる空間を創っています。

 

階層をうまく活用したプランニングが、坪数以上に感じる開放感を演出します。

 

特にリビングが主に配置される1階のデザインはこだわりたいものですが、【1階の構成編】35坪の注文住宅における、時代に合った間取りの考え方 も合わせてご覧いただくと、より一層家づくりの参考になるでしょう。

 

3-2. 2階建て(34.89坪)

一階寝室で30坪台に抑えた間取の事例

出典:暮らしの表情を楽しめる家

 

2件目の事例は、1階に寝室を持ってきつつも、35坪以内のおさめた事例です。

 

1階寝室でなく総二階であれば、性能や効率を追い求めることは比較的かんたんですが、将来的なことを考えて、1階に寝室を設計する方が増えてきておりトレンドになりつつあります。

 

コストなどを考えてコンパクトにしていくことも良いですが、将来的な使い方や家族の価値観は忘れないようにしたいものです。

 

3-3. 2階建て(35.46坪)

視線の抜けで開放感感じる30坪台の間取り

出典:カジュアルモダンハウス

 

3例目も、1階に寝室がある平屋風の2階建て住宅です。

 

玄関ホールとLDKに囲まれたコートテラスが、室内に視線の抜けを生み出し、窮屈さは感じない設計に仕上げています。

 

窓もたくさんあれば良い訳ではなく、窓を設ける意味を考えつつ場所・形状を適切に配置しないと落ち着かない空間にもなります。

 

 

4. まとめ

このように和室の必要性や、廊下と収納の使い方の工夫といった間取り上の工夫はもちろん、空間を広く魅せるためのコツなどを組み合わせることで床面積以上の広がりを感じることができます。

 

また、総二階のような家では特に不自由なく30坪前半の住宅が設計できますが、1階に寝室を配置したり、家事スペースなどにこだわると40坪を超えがちです。

 

コンパクトな住宅はデザインと使い勝手、間取りの工夫で差が出やすいため、ご家族の希望を叶えられる住宅会社探しは一層難しくもなります。

 

結では、30坪台のコンパクトなモデルハウスが23年1月から期間限定でオープンしており、まずは ” 百聞は一見に如かず ” で気軽に見学にお越しください。

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