家づくりコラム

2022.07.15

コラム【1階の構成編】35坪の注文住宅における、時代に合った間取りの考え方

新築の注文住宅で最も出現率の高い、35坪の家における間取りの考え方を紹介します。一般的な間取り事例ではなく、和室や寝室などの間取りの構成要素ごとに考察。ご家族や今の時代にマッチした考え方を解説していきますので、間取りを検討する参考に。

 

一般的に新築で多い床面積は30坪後半の住宅で、最もスタンダードな間取りの考え方は1階にリビングや和室、そして2階に各居室があるパターンとなります。

 

この間取りは、総二階といって割安に建築ができるため採用が多いのですが、実は様々な観点から考えた時、必ずしも全ての方に最適解ではないと考えています。

 

そこで今回は、約35坪の2階建てにおける間取りに対しての考え方をご紹介していきます。

 

和室って本当に要るのかな?

 

間取りを使いやすいものにしたい、など間取りの取り方に悩んでいる方にオススメの記事です。

 

まずは冒頭に本記事の要点を見ていきましょう。

 

 

・35坪の間取りは、1階に「LDK・和室・水まわり」だけではなく、ご家族のニーズや今の時代にマッチした間取りの考え方を紹介します

 

・「寝室」「和室」「タタミコーナー」の使い方や考え方を柔軟にしていくと、新しい間取りの考え方が広がります

 

・総二階でなく、1階へ比重を持ってくると機能的・デザイン的にメリットが高まります

 

・丁度いい多用途な使い方ができる空間が人気で、使いやすい場所にデザイン的にもマッチする形で設計できるか否か、がポイントです

 

 

1.35坪~40坪の住宅の構成

注文住宅の床面積の平均

出典:住宅金融支援機構

 

 全国的な平均値から見ると注文住宅の床面積は約124㎡=約37坪(富山県はこの当時約40坪)となっています。

 

ただ、これはウッドショック・ロシアによるウクライナ侵攻以前のデータのため、2022年時点では構造用の材木や設備機器など全てが値上がりしているため、予算を考えるとこのデータより一回りコンパクトな約35坪が主流と言えます。

 

35坪で一般的に多い住宅の間取りは、1階にLDK・水まわり・和室、2階に主寝室と子供部屋を2部屋という「一般的な間取り構成」が、建売住宅やハウスメーカーでは主流となっています。

 

今回は同じ床面積でも、家に本当に求める要素によって必ずしもこの ” 一般的な間取り構成 ” に当てはまらないパターンや、結での考え方をご紹介していきます。

 

2. 間取りの要素・考え方

間取りは個々の土地の大きさ・家族構成・ご家族の考え方や趣味、といった要素がまずベースにあります。

 

この形を具現化していくのが、結の仕事ではありますが、「一般的な間取り構成」という固定概念から脱却するコトで選択肢が広がることをご提案していきたいと考えています。

 

もちろん、この間取り自体が悪い訳ではなく、合理的な設計であるものの全てのお客様に最適解だとは考えていません。

 

結では間取りだけでなく、暮らし方もご家族に合わせてご提案しています。

 

その中で、「寝室」「和室」「タタミコーナー」といった間取り上の要素を掘り下げて考察していきますので、ぜひ考え方の参考にしてください。

 

2-1. 寝室の位置は1階か2階か

結では必ずしも2階に限らず、1階に設けるパターンを提案することもあります。

 

注文住宅の間取りを考える上での寝室位置 注文住宅で1階寝室にした事例

出典:ゆとりの暮らしに辿りつく家

 

上図の事例では、1階寝室となっています。

 

写真の階段はリビング内階段になっており、寝室をリビングに隣接した ” くつろぎスペース ” としても活用することができます。

 

1階寝室の機能性のメリットは、生活動線としても就寝前後に階段の上り下りをしなくてよいことです。

 

また外観上のデザイン的なメリットとしても、1階に寝室を設けることで1階に比重が置かれるため、総二階の ” のっぺりしたデザイン ” になりにくくなります

 

そのため機能とデザインの2つを両立しやすく、今後のファミリー世帯にマッチしやすい間取り構成の1つではないでしょうか。

 

一方デメリットでは、屋根や外壁の量が多くなってくるため、コストアップにはつながります。

 

2-2. 和室

注文住宅の間取りを考える上での和室の立ち位置

出典:中庭を囲む二世帯住宅

 

昨今、仏間・仏壇を置くスペースが無くなっており、床の間を絶対条件とされる方が減っていることから、和室自体のニーズは減少しています。

 

客間かつ親・友人がくるといった理由で和室を設ける方もいらっしゃいますが、法事や親族の集まりも年に1~2回であれば、リビングに布団敷いても用途としては済んでしまいます。

 

そのため和室の必要性を冷静に考えていくと、使わないのでは?と感じる方が多いのではないでしょうか。

 

ただ一方で、最近増えてきているのは、リビング続きの「タタミコーナー」です。

 

これも役割・目的としては「客間」ではなく、「リビングの延長」としての位置づけになるため、リビングを少し大きめに設計し、一部をタタミにすることも35~40坪程度の住宅で十分可能です。

 

注文住宅のリビングの寛ぎ方を工夫した家

出典:ゆとりの暮らしに辿りつく家

 

 

また1つの考え方ですが、上の事例はリビング自体を「和室のように床座でくつろげる仕様」にした設計事例です。

 

人はフラットな所より、もたれる・腰かけれる場所が落ち着くこともあり、ゴロっと横になりながら休日を過ごしたい方にとっては、面白い選択肢になりえるのではないでしょうか。

 

注文住宅の一部をタタミコーナーにした家

出典:LDKから始まる様々な広がり空間

 

上の事例では、リビングの一部をフローリングとフラットな形でタタミにしています。

 

ご家族の要望や使い方に合わせて、タタミにも幅広い使い方があります。

 

2-3. タタミコーナー(ヌック)の活用方法

注文住宅の間取りを考える上でのタタミの活用 注文住宅のタタミコーナーをヌックにした例

出典:カジュアルモダンハウス

 

和室を客間兼リビングとして設けている事例も結では多くありますが、その中の一部を紹介していきます。

 

上図の事例では、LDK横に3帖ほどのタタミの小上がりを設けています。

 

同じスペースに造作デスクと本棚も配され、使用用途としては「子供の遊び」「勉強スペース」「リモートワークのデスク」といった、ごろりと寛ぐのにも・勉強などにも、丁度いい多用途な使い方ができる空間です。

 

「客間だけ」「リビングの延長線の空きスペースだけ」という場所では勿体ないため、最初の設計段階でデスクや本棚など、ご家族の使い方を考えた場所にしておくことをオススメします。

 

3. まとめ

一例としてあげた、1階寝室やタタミコーナーの取り方がすべての方への正解とは限りませんが、まずはご自身に合った考え方の整理に役立ててもらえればと思います。

 

間取りを考えるときに必ずやってほしいことは、その注文住宅で一週間の生活をイメージしてもらうことです。

 

家に帰ってきたら、その間取りであれば自分ならどんな動きをする?

 

休みの日はどこの部屋にいる?

 

お風呂から上がったらどこで一服する?

 

そんな普段の暮らしや、使い勝手をイメージしてみることが、間取りを決定していくうえでストレスがない注文住宅の第一歩だと考えています。

 

今回の記事では、35坪における和室やタタミコーナーの考え方の一端を紹介しましたが、このあたりの考え方が気になった方や、結でも間取り相談してみようかと思った方は、こちらよりお気軽にお問い合わせください。

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