家づくりコラム

2022.11.04

コラム部屋を広く感じるために考えるべき3つのポイントと広く感じる事例3選

リビングやダイニングを中心として、部屋の広さを感じるための設計ポイントを紹介。天井の高さや窓を大きくするだけでない、結ならではの視点もコッソリお伝えします。また結の事例をもとに、広く感じるポイントや設計のコツをお伝えしますのでぜひ参考に。

 

今回は空間を広く見せるためのコツについて紹介していきます。

 

新築で間取りを検討する中で、どうしてもコストや土地の関係で希望よりリビングが小さくなってしまう、といった悩みに当たることがあります。

 

今回は同じ床面積でも広く見せるコツに特化して紹介していきます。

 

できるだけコストをかけずに「満足感の高い開放感」を実現するためのポイントをみていきましょう。

 

それでは、今回の記事の要点です。

 

 

 

・空間の広がりには面積以外では、「天井高」「家具などの配置」「視線の抜け」が大きくかかわってくる

 

・天井高さは単純に高くしようとすると無視できないコストアップにつながる、などデメリットも考えておく必要がある

 

・同じ体積の空間でも、家具の配置バランスを考えることで空間を広く見せることができる

 

・視線の抜けは、外部からの視線も同時に考えないと効果が発揮されない

 

・モデルハウスで実際に体感してみることをおすすめします

 

 

1. 部屋を広く感じるための3要素

人は床面積だけで空間の広さを感じ取っているわけではありません。

 

床面積以外で空間の広さを感じる要素は3つあり、「天井の高さ」「家具などの配置」「視線の抜け」と言われています。

 

まずはそれぞれの内容をみていきましょう。

 

1-1. 天井の高さ

部屋を広く感じる要素の天井

出典:オン・オフの切替を楽しむ家

 

天井が高いリビングを話題にした広告がありましたが、天井高さが空間に与える影響は大きいです。

 

同じ床面積でも、天井高が高いことによる視覚効果は広がりをもちます

 

人は、同じ ” 容積 ” であれば、床面積が10%小さくても天井高が10%高い方が、広く感じると言われています。

 

しかし、天井高を高くすれば広く感じることができる反面、デメリットも出てきます。

 

それは、空間体積が大きくなりエアコンなどの冷暖房エネルギーが大きくなることと、建築コスト(外壁・構造躯体・石膏ボード・断熱材など)が高くなることです。

 

1-2. 家具などの配置

部屋を広く感じる要素の天井

出典:パノラマの景色が広がる家

 

同じ容積の空間でも家具などの配置バランスによって、広さの感じ方が異なるという研究があります。

 

東大の建築教授であった西出教授の研究(室空間における空間欠損と容積の知覚・印象評価の関係に関する基礎実験 )を引用します。

 

1つの空間で同じ数の段ボール箱を並べても、「壁面1面に揃えて並べる時」と「飛び出したように置く時」では、空間の広さの感じ方が大きく異なる結果が出ています。

 

結では、背の高い家具は壁面に接して圧迫感を減らしたり、家具や建具の取っ手の「出っ張り」、造作部材の出っ張りなどを極力減らし、面を揃えてスッキリさせることに配慮して設計しています。

 

空間ノイズ・圧迫感を減らすことは、部屋の広がりにも影響を与えていきます。

 

1-3. 視線の抜け

部屋を広く感じる要素の視線の抜け

出典:ゆとりの暮らしに辿りつく家

 

空間の広さを感じるためのテクニックとして、視線の「抜け」と「留め」という考え方があります。

 

窓を設けると視線が遠くまでいくため、「視線の抜け」が確保できますが、一方で抜けばかりでは落ち着かない空間になりがちです。

 

コレといった法則はありませんが、間取りに応じて「抜け」と壁などで囲う「留め」のバランスが大事です。

 

注意すべきポイントは、単純に「窓を大きくして視線の抜けをたくさんつくること」 = 「広く感じるようになる」わけではないことが注意点です。

視線の抜けを活用した広く見えるリビング

出典:プライベートテラス広がるモダンハウス

 

窓が大きいと外部からも視線が入りやすくなりますので、外部からの視線カットの方法や、どこに窓を持ってくるか、なども大事な要素です。

 

上図の事例のように、インナーテラスとして壁を設けておくことも開放感を創るための大事な要素です。

 

2. 結の事例から見る空間の広がりを感じるコツ

それでは、結の3つの事例をもとに、空間の広がりを感じるためのコツや設計上のポイントを公開していきます。

 

2-1. ゆとりの暮らしに辿りつく家

ポイントを活用した部屋が広く感じるリビング

出典:ゆとりの暮らしに辿りつく家

 

リビングとダイニングを合わせても約11帖で、決して大きいとは言えない床面積の空間です。

 

しかし、ハイサイドライト・インナーテラスを組み合わせて、視線の抜け・天井高さなどを活用して広がりを十分感じられるリビングに設計しており、ポイントはこちらです。

 

・壁の上にハイサイドライト(天窓)を設けて空が見えるように設計

・リビング床面と、テラスの床面を合わせてリビングが外まで続いているかのような見せ方

・高い塀で囲っているものの、外から視線を感じないことでリラックスできる

・窓を解放できることで、部屋の大きさ以上に感じる

・床が下がっていることで、さらに天井を高く感じる効果が高い

 

トップライトで部屋を広く見せるテクニック

また、階段がリビングに隣接されていますが、階段上にはトップライトがあります。

 

2階にゆったり上がっている最中に、トップライトが目に入ってくることでも開放感を感じることができます。

 

このように細かい部分にも配慮して設計しており、家を箱として捉えるのではなく、実際の暮らしを立体的に考えて結では設計を行なっています。

 

2-2. 木の温もりと光に包まれる家

ハイサイドライトで視線の広がりを感じる事例

出典:木の温もりと光に包まれる家

 

こちらの事例のポイントは、造作家具による空間の一体感高天井とハイサイドライトの視線の広がりです。

 

こちらのリビングのポイントはこちらです。

 

・造作によるオーダー家具で、インテリアに統一感を出している

・テレビボードは高さを抑え、圧迫感を最小限にしている

・カーテン、縦型ブラインドの納まりでも空間ノイズを減らしている

 

細かい部分ですが、リビング窓のカーテンは縦型ブラインドを採用しています。

細かい納まりの工夫で感じる部屋の広さ

画像引用:ニチベイ・カタログ

 

一般的な納まりであれば窓の横に ” ぶらーん ” とぶら下がる縦型ブラインドですが、空間ノイズになるため、壁の中に納まるように設計しています。

 

このように、細かい納まりの工夫の積み重ねも空間の広さを感じるための方法につながっていきます。

 

2-3. ストレスフリーで創造性豊かな住まい

視線の抜けと吹き抜けによる組み合わせで部屋を広く見せた事例

出典:ストレスフリーで創造性豊かな住まい

 

3例目では、視線の抜けと吹き抜けによる組み合わせで、空間を最大限まで広く魅せているモデルハウス(売却済み)です。

 

窓をたくさん設けて、明るさと風通しのよさを兼ね備えた、広さをしっかり感じられる設計デザインになっており、この物件でのポイントは以下です。

 

・吹き抜けと勾配天井を組み合わせている

・テラスを2箇所設けており、風通しだけでなく開放感をふんだんに感じることができる

・照明はダウンライトで設計し、空間のノイズをなくしている

 

空間を考えるうえで照明は非常に重要な要素で、空間のデザインだけでなく、夜間の空間の見え方や広がりにも影響してきます。

縦滑り窓と鏡で部屋を広く見せた事例

また、トイレも縦滑り窓・鏡を設けて広さを感じる設計になっています。

 

洗面も天井付近に窓を設けて、洗面所の明かり取りとしての機能以外に、ダイニングから洗面所の方を見たときに視線が抜ける効果も兼ねています。

 

当物件はこちらから3Dでの体験も可能となっています(スマートフォン・PC)ので、ぜひご覧ください。

 

3.まとめ

結での事例も紹介しながら、部屋を広く感じるためのコツを解説してきました。

 

単純に天井高さを高くする、窓を大きくするだけではない、住み心地を考えた視点も取り入れて初めて「満足感の高い開放感」を得られる家づくりになります。

 

気になった方は、ぜひ結で間取りの相談も承っているのと同時に、今回の記事でも紹介したプライベートテラス広がるモダンハウスを、2022年11月27日(日)までの限定で公開しています。

 

ぜひカーテンを開けることができる「満足感の高い開放感」を、見学・体感しにお越しください。

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