1.二型キッチンとは(Ⅱ型)
二型キッチンとは、コンロとシンクが分離して2列の形態になっているキッチンです。
パナソニックが実施した調査によれば、LDK空間においては「リビングは広くゆとりがほしい(76%)」という回答が多く、リビングはスペースを確保したいというニーズが多いことが分かりました。
一方で住宅取得時に購入価格を予算内に収めることなども背景にありつつ、約40%の人がリビングの面積を最大化できる「二型対面プランが理想」と回答しています。
(※出典:パナソニック 物価高騰下における住宅購入ニーズ調査)
住宅資材含め、様々な価格が上がっていることもあり、住宅全体の大きさをコンパクト化する動きに呼応したキッチンの形態として注目されています。
1-1.二型キッチンのメリット
二型キッチンのメリットは、大きく2つあります。
1つ目は「ダイニングスペースの動線を短くして、限られた空間を有効活用できること」です。
一般的な対面キッチンは、キッチンの前にダイニングテーブルがくるため、ダイニングのスペースを大きく取ってしまいます。
さらにダイニングテーブルを置くスペースがキッチンから近いため、調理・盛り付け・配膳・後片付けにおける一連の動線の短縮を実現します。
そして2つ目のメリットは、「LDK空間全体を広く見せるコトができる」点です。
レンジフードが付くコンロを壁側に設計すると、ダイニング空間全体がスッキリします。
一般的な対面キッチンの場合、レンジフードがキッチンとダイニングの間にきて、空間の連続性を阻害する要因にもなりますが、上記の写真ではダイニング上部に来るレンジフードがないことでスッキリした空間に仕上がっています。
1-2.二型キッチンのデメリット
一方で二型キッチンにはデメリットも存在します。
もっとも大きなデメリットは、「調理中に回転する動きがうまれること」になり、この動作を許容できるかどうか?が採用の大きなポイントではないでしょうか。
シンクとコンロが分離していることから、調理した鍋などを持っていく動きは大きくなります。
ショールームなどで実際に体感してみたりするとよいでしょう。
また、一般的なキッチンよりキッチン本体の価格は高くなることや、収納が少なくなりがちになることも留意しておきましょう。
パントリーや壁側に吊り戸棚などを設けたり、冷蔵庫の位置関係などをしっかり考える必要がある点で、少し設計力が必要なキッチンでもあります。