2024.09.20
収納を経由した寝室など、昨今はウォークインクローゼットだけでなく、ウォークスルークローゼット、ファミクロなど多彩な収納方法があります。回遊性や収納量どちらを優先するかなど、結での施工事例・間取りも公開しながら、メリット・デメリットを解説。
昨今の新築の間取りでは、寝室にはウォークインクローゼットが当たり前になっています。
しかし、行き止まりになっているウォーク“イン”クローゼットではなく、通路と兼用しているウォーク“スルー”型にする考え方もあります。
そんなウォークスルー型のクローゼットや、ファミリークローゼット(通称:ファミクロ)の間取りを設計する上での考え方を解説していきます。
収納は新築を考える際に重要な要素ですが、ただ広くたくさん確保するだけでなく、上手な設計で使い勝手やコストメリットも出していきましょう。
それでは、まず今回の記事のポイントからお伝えします。
・ウォークスルー型で、寝室への通路を利用したクローゼットは、動線計画を合理的に設計できる
・ウォークスルー型になっていると寝室の窓やテレビなどの配置がしやすい
・1階に寝室を配置する場合、寝室の収納とファミクロを兼用すること、そしてウォークスルー型にすることで1階全体の面積を圧縮できる
・記事後半ではYUIでのウォークスルー型の収納の事例を紹介
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1. ウォークイン型 / ウォークスルー型 どっち?
作成:YUI
寝室にはほぼ100%と言ってよいほど収納を併設しますが、YUIではウォークインクローゼットが比較的多い傾向にあります。
また、間取りをヒアリングしている際も、ウォークインクローゼットを要望される方が多いですが、ウォークスルー型という選択肢もあります。
まずは、「寝室にはウォークインクローゼット」という先入観を置いておいて、ウォークスルー型との違いを見ていきましょう。
1-1. ウォークイン型は収納力重視
出典:南海プライウッド
ウォークイン型は上図のような収納形式であり、一昔前は納戸(なんど)と呼ばれていました。
コの字型、二の字型が主流ですが、その理由は空間の収納量を最大化させるためで、とにかく収納量を多く確保したい方におすすめです。
また行き止まりになっているがゆえに、収納棚に入りきらないモノまで、多少入れこんでも気になりにくい点がメリットです。
しかし、デメリットとしては動線が行き止まりであるが故に、間取り上の配置場所が限られてくることや、窓・換気が取りにくい点です。
1-2. ウォークスルー型は動線重視
出典:南海プライウッド
ウォークスルー型とは廊下を兼用したような収納タイプで、通り抜けることができるタイプの収納形式です。
廊下を兼ねることができるため、建物全体をコンパクト化しようとした際にも有意義な選択肢です。
さらに、昨今人気のファミリークローゼットを採用したい方や、生活動線に回遊性を持たせたい方はウォークスルー型がおすすめになります。
また、ウォークスルー型のクローゼットを寝室に隣接させる場合(収納を通過して寝室に入る)、寝室の窓やテレビなどの配置が比較的設計しやすくなる側面もあります。(※入口と収納が兼用になるため)
さらに換気や通気も比較的取りやすいので、収納の中の湿気などが気になる方は、ウォークスルー型にしてみるとよいでしょう。
一方、デメリットとしては収納力がウォークイン型に比べて減ること。
そして寝室に隣接している場合、収納を通って寝室に行くことになんとなく抵抗を覚える方もいらっしゃいますが、ここは考え方次第で正解・不正解はありません。
2. ファミリークローゼットの考え方・設計ポイント
出典:南海プライウッド
ファミリークローゼットとは家族のモノ(特に衣服や身の回りのバック・鞄・ランドセルなど)を1箇所に集めて収納する形式です。
ファミリークローゼット=通称ファミクロでは、たたんだ服を1箇所に収納でき、家事楽につながる収納としても注目されています。
しかし、ファミクロがあるので各部屋に衣類収納が要らないとはなりにくいので、結局は各部屋に小さくても収納が必要になるケースが多いです。
2-1. ファミクロの使い方
家事の中でも、あちこち動き回る家事と言えば洗濯です。
特に乾いた洗濯物をしまう作業が面倒だったりしますが、ファミクロがあれば移動が1箇所で済むため、動線効率はいいです。
毎日使う肌着や部屋着などを置いておくだけでもよいでしょう。
ファミクロは、平屋や1階寝室プランと相性がいい面もありますので、平屋などをお考えの方は取り入れてみると良いでしょう。
3. 1階寝室の収納形態を考える
1階に寝室を配置するプランの場合、寝室の収納としてウォークスルー型・ウォークイン型・ファミクロ、どれを採用するか?
ここでもメリット・デメリットや設計の考え方が違ってきます。
3-1. あなたはどのタイプ? 収納形態別の考え方
ウォークスルー型 | ・生活動線で回遊性を重視する方
・必要最低限、モノを多く溜め込みたくない方 |
ウォークイン型 | ・子どもの物と夫婦の物は分離して収納したい方
・収納量を最大化させたい方 |
ファミクロ型 | ・家族の衣類やモノを1箇所に集中させて家事動線の短縮をしたい方
・収納量は多めに取りたい方 |
こちらでは、前章で紹介したクローゼットタイプも含めて、収納タイプごとのメリット・デメリットを踏まえて、タイプ別のおすすめ収納方法をまとめています。
これらは、みなさんの好みによって選ぶとよく、まとめると動線を優先するか収納量を優先するか?が分かれ道です。
また、ファミクロはどちらも両立しやすいため人気が高いのですが、どのように・どれぐらいの広さのファミクロをどこに配置したいかによって、家全体のプランニングが難しくなります。
ここは住宅会社で差が付きやすいポイントなので、設計力がある住宅会社を見極めましょう。
4. 1階に寝室・収納がある施工事例
それでは、YUIでの1階寝室収納や、動線設計の事例をみていきましょう。
4-1. 縦横に広がる空間を楽しむ家
出典:縦横に広がる空間を楽しむ家
1つ目の事例は「1階寝室+ファミクロ」かつ、回遊性を持たせているプランになります。
ランドリールームと寝室収納を隣接する形で配置しており、動線をコンパクトにまとめています。
さらに寝室は2箇所から出入りできるため、ランドリーや収納をぐるっと回り込むことなくアクセス可能で、普段使い・家事をしている時と、それぞれのシーンに合わせた使い方ができる設計になっています。
1階寝室+ファミクロを採用したい場合は、寝室・ファミクロ・ランドリールーム・水回りを固めて配置することで、お風呂や洗面を使う際にも服を取り出しやすいなど日常生活の利便性が向上し、暮らし心地の良さに繋がります。
4-2. ゆとりの暮らしに辿りつく家
出典:ゆとりの暮らしに辿りつく家
2例目は、利便性・回遊性を高めた1階寝室プランになります。
1階寝室プランの場合、リビングからの音に配慮する必要がありますが、ここでは階段を挟んでいることで音が緩和されます。
さらに収納がウォークスルー型になっており、トイレ・洗面・お風呂へのアクセスは収納を通過していきます。
ウォークスルークローゼットの隣にはサンルームがあるため。干した洗濯物をすぐ収納できるようになっており回遊性抜群のプランです。
4-3. セカンドライフを叶える平屋
出典:せセカンドライフを叶える平屋
3例目は、収納を挟んで寝室が2つになっている平屋の事例です。
通路を利用した納戸を挟んでからのウォークイン収納になっており、家族共有で使うもの・使用頻度が高いものと、それぞれで使う衣服などを分けやすくなっています。
こちらの事例も家事としての動線、普段使いとしての動線を意識した間取りになっています。
延べ床面積自体も35坪、各部屋も必要最低限の大きさで、コンパクトながらも「ちょうどいい平屋」となっており、ファミリー層でも人気がある間取りです。
5. まとめ
今回は収納のあり方として、ウォークイン型だけでなく、スルー型やファミクロなどの考え方を紹介してきました。
YUIでは、上記の事例で紹介したようなスルー型のプランやファミクロも多く採用しており、今回のブログで紹介しきれない事例もたくさんあります。
気になった方は、ぜひ資料請求をいただいたり、実際の間取りを見て・体感して頂くことでさらにイメージがつきやすくなります。
特に、収納を通過して寝室に入る間取りのウォークスルー収納は、体感してみるのがよいでしょう。
1階寝室プランの注意点や、他の事例もこちらのコラムで紹介していますので、気になった方はこちらのコラムも合わせてご覧ください。
1階寝室プランのデメリットとは?コスパよく1階寝室にするためのコツも
1階寝室の知られざる魅力と、後悔しないように注意すべきことは?