家づくりコラム

2024.02.23

コラムフルオーダー・セミオーダー・規格それぞれを揃える住宅会社の裏事情

最近は注文住宅と言っても、フルオーダー・セミオーダー・規格住宅の違いが分かりにくくなっています。また、同じ会社でもこのような選べる幅によって商品ラインナップが分かれている会社もありますが、その分かりにくい違いや注意点を解説しています。

 

一昔前は、注文住宅専門!とか規格住宅専門と、住宅会社によって間取りの自由度が決まっていることが多かったですが、昨今は事情が少し異なってきています。

 

住宅会社で、注文住宅プラン・セミオーダープラン・規格住宅プラン、というように間取りや仕様の自由度によって価格などを変えるパターンが増えてきました。

 

そのような状況で、どれがいいのかな?価格は抑えたいけど、規格やセミオーダーで後悔しないかな?と考えている方におすすめの、業界の裏側の事情もオープンにした内容になっています。

 

それでは、今回の記事の要点からみていきましょう。

 

 

・注文住宅と言ってもセミオーダー的なシリーズで価格を抑えている会社が増えており、セミオーダーとフルオーダーの境界が曖昧に

 

・その理由及び背景は、ウッドショック・インフレによる住宅資材高騰による価格調整

 

・注文住宅と思っていても「標準仕様」がしっかり決まっている会社・シリーズは「セミオーダープラン」と思ってよい

 

・コスト重視であれば思い切って規格住宅の方が、明らかにコストメリットが出るはずであり、割り切りも大事になってくる

 

・オリジナリティを求める方は、「標準仕様」が決まっている会社およびセミオーダーシリーズは避けた方が無難であり、" 建売みたいな家 ” にしたくない方は注意ポイント

 

 

1. 各社フルオーダー〜規格までのプランを揃えてきた背景

昨今、家づくりの形態にも「フルオーダー」と「セミオーダー」の境が曖昧になりつつあります。

 

コロナ禍までは、注文住宅の会社は注文住宅しかやっていないところが多かったですが、そのような会社でもセミオーダーのシリーズを発売してきている等の動きが出てきています。

 

そのため、昨今は間取りの自由度に応じてシリーズをたくさん持っている住宅会社が増えていますが、その大きな理由はウッドショックおよびインフレです。

 

1−1. ウッドショック・インフレの影響

セミオーダーが増えてきた背景であるウッドショック

出典:ウッドショック 林野庁・農林水産省作成資料(NHK)

 

上図のように、ウッドショックと呼ばれる木材価格の高騰により、木材を多く使用する戸建およびビルや建設市場全体に影響を与えている問題(現在進行形)があります。

 

アメリカおよび世界的なインフレの進行により、特にアメリカの需要増加に伴い、木材価格が世界的に高騰、さらに燃料等のエネルギー価格も高止まりしており運送等に伴いコストが上昇しています。

 

そのため、一時期からは落ち着いてきたものの、各社コストを落とすための施策を実施し、注文住宅からコストを抑えたラインナップを揃えてきている背景があります。

 

元々、注文住宅しかやっていなかった会社でも、値段を抑えるためにセミオーダー方式や規格住宅のシリーズが出てきた理由がここにあります。

 

そこで、「注文」できる範囲の違いによる、メリットやデメリット、また自分たちご家族の価値観はどれに一番合うのか?をみていきましょう。

 

2. 注文(フルオーダー)・セミオーダー・規格の違い

注文(フルオーダー)・セミオーダー・規格の違い

同じ会社で、それぞれのシリーズごとに展開している場合を想定し、その特徴・違いをまずは一覧表にまとめてみました。

 

住宅シリーズ 価格 間取り 仕様(内装・設備・外装)
フルオーダー 自由 自由
セミオーダー 範囲を限定 範囲を限定
規格型住宅 リーズナブル 固定 固定
建売住宅 リーズナブル 固定 固定

 

大きく違う点は内装や外装といった「仕様」である場合が多いです。

 

大手ハウスメーカーなども、基本的にはカタログにある中から選ぶという意味では、セミオーダーに近い仕様決めをしている会社も多いです。

 

なお、会社を選ぶ上で、「注文系」「規格系」の会社での違いや注意点を知りたい方はこちらも合わせて御覧ください

 

【結様・12月作成・1月分】規格住宅とフルオーダー住宅のプランの自由度以外の違いとは?

 

2−1. 注文(フルオーダー)シリーズの実情

注文(フルオーダー)住宅の実情について

文字通り、間取りの設計からインテリアや設備の仕様を一から選ぶことができるフルオーダーです。

 

土地にピッタリ合わせた間取り設計や、オリジナルを求める方におすすめのプランですが、一方ではコスト面で他のプランに比べて不利と言えます。

 

コスト面で不利になる理由は、設計士が一から設計することで、間取りの構成を検討する時間、また耐震性や断熱性の設計を一からすることで、計算にかかる費用や申請などが都度かかってきます。

 

しかし、一から選ぶことによってオリジナリティの高い建物ができあがり、満足度も高くなりやすいです。

 

2−2. セミオーダーシリーズの実情

セミオーダー住宅の実情について

セミオーダーと言っても、各社で選べる範囲がバラバラでフルオーダーとの明確な境はありません。

 

ただ一般的に多いセミオーダーは、間取りは一定のルールに則った形での自由、仕様についても「標準仕様」として設備機器や内装で選べるものが決まっているケースです。

 

このため「注文住宅」と言っていても、実はこのセミオーダーにあてはまる会社が多いと言えるでしょう。

 

また、間取りをある程度自由にしている時点で、建築上必要な耐震性や断熱性の設計コストはフルオーダーと変わらないため、コストを下げるとすれば住宅の仕様自体で調整するしかないのがホンネです。

 

仕様から外れるものを選べても、大幅に金額がアップすることで「実質的に選べない」こともよくある失敗例でもあります。

 

価格は比較的フルオーダーに比べて抑えられているものの、オーダーしたはずなのに建売のような画一的な家になりやすい点が注意点です。

 

言い換えれば、家づくりにおける後悔は、この「セミオーダーへの期待しすぎ」が原因となっていることも多いと言われています。

 

2−3. 規格シリーズの実情

規格住宅の実情について

文字通り、複数用意された間取り・仕様を選ぶパターンの住宅です。

 

間取りも人気がある普遍的なもの、仕様も一般的なものでいいので価格を抑えたい方に向いているプランです。

 

プラン自体も複雑にしていないことで構造躯体が割安に設計されていたり、プロ視点からコストがかかるような仕様にしていなかったりと、ある意味「コスパ」重視の方におすすめです。

 

間取りを変更しないことで、耐震性や断熱性などの計算を省略、コストを下げることに繋げられるため、納得性のある安さを併用できます。

 

実は間取りも人気が高い普遍的な間取りがチョイスされており、意外とアレコレ考えるより合理的に選べることもメリットです。

 

反対に「普通の家」っぽくなりやすい点を、どう捉えるか?コスパ・タイパを求める方で、割り切って普通の家でいい、という方におすすめです。

 

3. YUIは予算上限を考えたフルオーダー

YUIは予算上限を考えたフルオーダー住宅で建築

出典:ホテルライクな日常のある家

 

YUIでは「WORKS一覧」を見ていただくとおり、フルオーダーの注文住宅の会社です。

 

よく使う素材・設備はあるものの、標準仕様といった決まったものはありません。

 

フルオーダーでの難しい点である「細かい部分」についても、自分たちで選べないという悩みを持つ方も多くいます。

 

プロの視点から、ご提案・アテンドもさせて頂きますのでご安心ください。

 

また、フルオーダーの懸念事項としてあげたコストについても、YUIではお客様の予算感を伺って調整を効かせながら、理想に近づく素材・組み合わせを考えて提案させて頂くことを得意としています。

 

フルオーダーと言っても予算オーバーになっては、住んでからお金で苦労してしまいますので、このあたりのバランス感が非常に重要です。

 

気になった方は、ぜひYUIのモデルハウスへご見学・体感しにきてみましょう。

 

       

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