2. 注文(フルオーダー)・セミオーダー・規格の違い
同じ会社で、それぞれのシリーズごとに展開している場合を想定し、その特徴・違いをまずは一覧表にまとめてみました。
住宅シリーズ |
価格 |
間取り |
仕様(内装・設備・外装) |
フルオーダー |
高 |
自由 |
自由 |
セミオーダー |
中 |
範囲を限定 |
範囲を限定 |
規格型住宅 |
リーズナブル |
固定 |
固定 |
建売住宅 |
リーズナブル |
固定 |
固定 |
大きく違う点は内装や外装といった「仕様」である場合が多いです。
大手ハウスメーカーなども、基本的にはカタログにある中から選ぶという意味では、セミオーダーに近い仕様決めをしている会社も多いです。
なお、会社を選ぶ上で、「注文系」「規格系」の会社での違いや注意点を知りたい方はこちらも合わせて御覧ください
【結様・12月作成・1月分】規格住宅とフルオーダー住宅のプランの自由度以外の違いとは?
2−1. 注文(フルオーダー)シリーズの実情
文字通り、間取りの設計からインテリアや設備の仕様を一から選ぶことができるフルオーダーです。
土地にピッタリ合わせた間取り設計や、オリジナルを求める方におすすめのプランですが、一方ではコスト面で他のプランに比べて不利と言えます。
コスト面で不利になる理由は、設計士が一から設計することで、間取りの構成を検討する時間、また耐震性や断熱性の設計を一からすることで、計算にかかる費用や申請などが都度かかってきます。
しかし、一から選ぶことによってオリジナリティの高い建物ができあがり、満足度も高くなりやすいです。
2−2. セミオーダーシリーズの実情
セミオーダーと言っても、各社で選べる範囲がバラバラでフルオーダーとの明確な境はありません。
ただ一般的に多いセミオーダーは、間取りは一定のルールに則った形での自由、仕様についても「標準仕様」として設備機器や内装で選べるものが決まっているケースです。
このため「注文住宅」と言っていても、実はこのセミオーダーにあてはまる会社が多いと言えるでしょう。
また、間取りをある程度自由にしている時点で、建築上必要な耐震性や断熱性の設計コストはフルオーダーと変わらないため、コストを下げるとすれば住宅の仕様自体で調整するしかないのがホンネです。
仕様から外れるものを選べても、大幅に金額がアップすることで「実質的に選べない」こともよくある失敗例でもあります。
価格は比較的フルオーダーに比べて抑えられているものの、オーダーしたはずなのに建売のような画一的な家になりやすい点が注意点です。
言い換えれば、家づくりにおける後悔は、この「セミオーダーへの期待しすぎ」が原因となっていることも多いと言われています。
2−3. 規格シリーズの実情
文字通り、複数用意された間取り・仕様を選ぶパターンの住宅です。
間取りも人気がある普遍的なもの、仕様も一般的なものでいいので価格を抑えたい方に向いているプランです。
プラン自体も複雑にしていないことで構造躯体が割安に設計されていたり、プロ視点からコストがかかるような仕様にしていなかったりと、ある意味「コスパ」重視の方におすすめです。
間取りを変更しないことで、耐震性や断熱性などの計算を省略、コストを下げることに繋げられるため、納得性のある安さを併用できます。
実は間取りも人気が高い普遍的な間取りがチョイスされており、意外とアレコレ考えるより合理的に選べることもメリットです。
反対に「普通の家」っぽくなりやすい点を、どう捉えるか?コスパ・タイパを求める方で、割り切って普通の家でいい、という方におすすめです。