2. 知らぬうちに住んでいた家に寄せているケース
それでは、家の部位ごとに「よくある実家に寄せているケース」を紹介していきます。
2-1. トイレの数や位置
意外と多いのが、実家のトイレが1個だったためトイレは1個で、というケースです。
以前は2階の水まわり設備から水漏れを懸念することから、避けられることもありました。
共働き世帯が多い現在では朝にトイレが1個では少々不安であり、昨今のコロナ問題等からもトイレは2個あった方がよいでしょう。
また、トイレの位置も昔は給排水管の関係から近い位置に配置されることが多かったですが、現在はヘッダー配管と言ってメンテンナンスもしやすい配管構造になっているため、お風呂や洗面と隣接させる必要はありません。
2-2. 念のための和室
迷う方も多いポイントですが、和室を独立で設けておく目的は冷静に考えておきましょう。
今の生活で、だれかが来訪したり泊まりに来ることが年に何回あるか?
たまに親族が泊まる、というぐらいであればリビングで泊まってもらうことで解決もできます。
部屋を検討する中では、使用目的や使っているシーンが具体的にイメージできなければ無くても良いでしょう。
なお、和室の設計の考え方は、【1階の構成編】35坪の注文住宅における、時代に合った間取りの考え方でも詳しく紹介しています。
2-3. 納戸の必要性
収納は悩む方が多いポイントです。
まずは、ご自宅で収納されている衣服や季節モノなどを見返して、新居に持っていくものと ” 断捨離 ” するものとに分類してみましょう。
一方で、新たに買い直したいモノもあるのではないでしょうか。
何を収納するのか、決まっていないスペースを大きく取る必要はありませんが、決まっていないのであれば、ガランとした納戸も選択肢の1つです。
ただ結では、部屋の大きさや配置バランスを考えて、コの字型・I字型などの使いやすい形状と、可動・固定棚を問わない造り付け収納パーツを活用したクローゼットでご提案することが多いです。
何をどこに置くのか、ある程度イメージをした上で計画すると良いでしょう。
2-4. 外部物置き・玄関収納
以前は、ヨド物置のような物置を置かれる方が多かったですが、結では外回りで使うモノの収納は、デザイン面の観点からビルトインタイプの外部収納にすることが増えています。
1人1台車を持つことが多い富山では、保有台数分のスタッドレスタイヤをどこかに保管する必要があるため、新築時にタイヤの置き場所は考えないといけません。
外部収納であれば外観を損なうことなく、スッキリ収納できるだけでなく、雪かき道具ぐらいであれば収納でき、使い勝手や動線の広がりも生まれます。
昨今は断熱技術が発達しており、外部収納を設計しても寒さが侵入してくる、といった心配はありません。
また、玄関収納も以前のような下駄箱が設けられているスタイルから、シューズクロークで部屋にしてしまうケースも多くなっており、外部収納に関する考え方も昔の家と比べて大きく変わってきています。
2-5. 建具の必要性
以前は、廊下・玄関とリビングを仕切らないと、寒さ・暑さが伝わってきましたが、断熱性能が高い家では必要以上に仕切る必要はありません。
住宅の性能が上がれば、温熱環境のコントロールを目的とした仕切りがなくてもいいため、家全体をひとつの空間として設計できます。
このことから、間取りの自由度も昔に比べて上がっており、開放的な間取りも多くなっています。