2025.08.22

住まいづくりを始めた方、始めようとしている方にオススメのコラムです。何からやったらいいのか?また、逆にやってはいけないことは何か?こんなポイントをわかりやすくお伝えしています。さらに業界の状況も踏まえて、この秋から動き始めるべき理由も解説。
今回は、これから家づくりを始めようという方におすすめのコラムです。
特に、再来年の3月末入居あたりを考えて、そろそろ動き出そうかな?という方にピッタリの内容になっています。
スタートの今やっておくべきコト、反対にやってはいけないコトをピックアップして紹介します。
過去に紹介したコラムの総集編としても、お使いいただける構成になっています。
それでは、まず今回のコラムの要点から見ていきましょう。
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・土地がない方も、まずは住宅会社の選定から。土地選びは住宅会社に条件だけ伝えておけばよい
・初めにやることは、家づくりにおける「ご家族の優先順位付け」です。
・優先順位をつけることで、家づくりの検討が進んだ段階での迷いや、夫婦間のモヤモヤが少なくスムーズに決めやすくなり、住み始めてからの後悔・失敗につながりにくい
・確認申請が法改正の影響で業界全体で遅延しており、再来年の3月入居を考えているのであれば、この夏~秋にかけて動き始めるのがよい
・スタート時にやってはいけないコトは、手当たり次第にモデルハウスに行くことや、キャンペーンなどに釣られて前調べもなく、とりあえず行ってみること
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1. 土地がない方も最初は住宅会社選びから
土地がない方は、まず土地を決めて住宅会社の選定を…と考えているケースが多い印象です。
しかし、結論からお伝えすると、土地選びは住宅会社に条件を伝えて建物といっしょに考えていくことがおすすめです。
その理由は、大きく2つあります。
1つ目は、最終的に建てる建物との関係性を考慮しなければ、ベターな土地を選ぶことができないという点です。
土地だけ単品で先に決めてしまうと、ご家族が希望される間取り・仕様が実現しにくい場合があります。
それは土地の形状だけでなく、隣地との関係、建物と合わせたトータル金額といった、様々な要素を考慮しなけばならず、建物とセットで考えて初めてベターな土地が決まります。
そして2つ目は、土地だけで住宅ローンを組むことはできない点です。
多くの方が新築を検討される際に住宅ローンを検討されますが、住宅ローンは建物を建てる前提で、土地の購入費用も出ます。
建物の予定金額となる見積や資金計画がないと、銀行も住宅ローンを貸してくれません。
上記の2点の理由を考えると、土地をアレコレ探す前に設計力が高く信頼できる住宅会社を探す方が何事においても早い、となるわけです。
土地選びに関する詳しいコラムは、こちらでも紹介しています。
【結様・6月作成・7月分】注文住宅は土地選びからはじまる。陥りがちなワナとは?
一方で土地をすでに所有している方、ご家族から土地を譲り受ける方は、問題なく住宅会社の選定をすればよいでしょう。
1-1. どの住宅会社も素晴らしく見えてしまう
つづいて、住宅会社を探そうと思ったときに、立ちはだかる “ 壁 ” は「全部すばらしく見える現象」です。
今はどこの住宅会社も、ホームページやインスタグラムを整えて、素晴らしい施工事例がたくさん出てきます。
どの会社もキラキラ見えて、どの会社がいいのか分からない!というのは、家づくりあるあるの最たるものです。
この解決策として、次で紹介する家族の優先順位がしっかり決まっていると、取捨選択がしやすくなります。
例えば「デザインを重視したい!」という方向性が定まっていれば、建売寄りの会社などは選択肢から外せるわけです。
デザインの中にも種類がありますが、会社によって得意・不得意な分野が必ずあります。
ナチュラルなテイストに魅かれるか、モダンなテイストに魅かれるか、家族での好みもハッキリさせておくと、ブレずに済みます。
2. まず初めに家族の優先順位を整理しよう
初めにやることは、家づくりにおける「ご家族の優先順位付け」です。
過去のコラム「家づくりのスタートの参考に!住宅会社を選ぶためのキホンと考え方」で紹介している表の再掲になりますが、大きくわけて以下の6つの方向性だけでも夫婦間で話し合っておきましょう。
| 家に求めること |
使い勝手(機能性) ←→ 居心地(デザインや間取り)
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| 家のコンセプト |
省エネ性や耐震性 ←→ デザイン性
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| 費用の割合 |
立地や土地・家の大きさ ←→ 建物側へのこだわり
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| 住む場所 |
資産として売れることも考える(老後なども見据えて) ←→ 今の価値観・やりたいことを優先する
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| 住宅会社選び |
保証やネームバリュー(大手ハウスメーカー ) ←→ 設計の自由度やオリジナリティ( 地元の会社 )
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| 補助金 |
確実に狙いたい( 様々な制約・焦りは出てくる ) ←→ 日程や性能値を気にせず自由に選びたい
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この6つの方向性は、住宅会社の選定や家づくりにおいて、資金計画のバランスを考える時に悩みやすいポイントです。
性能を重視するのか?デザイン性に特徴がある会社を選ぶのか?
地元の会社か、大手のハウスメーカーか?
大枠だけでもしっかり方向性を決めることができれば、後々こんなはずじゃなかった、というモヤモヤも残りにくいでしょう。
上記の6つのポイントを詳しく解説しているコラムや、これらに関連してスケジュールや補助金の考え方などを特集しているコラムも、気になった方は合わせてご覧ください。
◆家づくりの価値観
後悔しないために、家づくりのスタートで抑えておくべき価値観と考え方
◆スケジュール
【富山県版】家づくりのスタートに知っておくとよい年間スケジュール
◆補助金関連
2025年の新築検討層必見の補助金情報!子育てグリーン住宅支援事業
令和7年度(2025年度)ZEH補助金の先取り情報!補助金の活用法も
2-1. 優先順位を付ける意味・意義
さて、上記の6つのポイントで優先順位をつける意味はなんでしょうか。
それは、家づくりの検討が進んだ段階での迷いや、夫婦間のモヤモヤを少なくすることです。
家づくりがすすんで、間取りや仕様検討をし、資金計画を横に睨みながら打合せをすすめていくと様々な悩みが出てきます。
コレもほしい…アレもほしい…でも掛けることができる資金には限度もある。
こんな悩みが出た時に、この6つの軸に立ち戻ることでスムーズに取捨選択がしやすくなり、住み始めてからの後悔・失敗につながりにくいです。
3. 家づくりのスケジュールが以前に比べて伸びている
昨今、確認申請(家を建てるための公的なチェック)が遅くなっていることが業界内でも問題になっています。
通常、請負契約をしてから仕様の詳しいところを決めていく住宅会社が多いと思われますが、ある程度固まった段階での確認申請の時間が長引いています。
以前は1~2週間で下りていたところが、検査期間の受付から最短でも1ヶ月、実態としては2ヶ月程度かかるため、以前に比べて2ヶ月以上伸びています。
そのため、お子さんの入学などで再来年の3月入居を考えている場合など、時間の制約・逆算の見込みがある場合、この夏~秋頃から余裕をもって検討開始するとちょうどいいでしょう。
またスケジュールだけでなく、建築コストなど様々な要素も考えていくと、リフォームや建売とのバランス、メリット・デメリットも考慮しながら総合的に家づくりを考えることがおすすめです。
4. 家づくりスタートでやってはいけないコト
さて、家づくりのスタート時にやってはいけないコトをリスト化してみました。
参考の1つにしていただければ幸いです。
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・手当たり次第にモデルハウスに行くこと
・キャンペーンなどに釣られて前調べもなく、とりあえず行ってみること
・数値の比較だけする
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昨今は、見学時の特典としてクオカードやギフトカードがもらえるようなケースもあります。
一生住む家を数万円のギフトカードで決めてしまうのは、どうでしょうか。
もちろん検討している住宅会社が、キャンペーンをやっていればそこに乗ってみることは悪いことではありません。
ただ、キャンペーンが目的化しないように気を付けていきたいものです。
また、住宅業界の中では、新築の性能向上が激化していることもトピックスとしてあげられますが、数値で表されるとなんとなく「優劣」の関係性と思いがちです。
しかし、住宅はどういった暮らしがしたいか?その目的に応じた設計をすることが本来であって、数値の勝負をする場所ではありません。
あっちの会社は等級〇で…と数値を優劣と思ってしまうと、本当に大事なポイントを見落としてしまうことになりかねません。
性能を極めたい、と思われる方はそれでもよいかもしれませんが、2つめの章で紹介した優先順位を決めて家族間で齟齬が起きないようにしていきましょう。
5. まとめ
YUIでは、土地探しや間取り作成ももちろん行なっていますが、その前段となるご家族内での方向性の整理付けのお手伝いもしております。
まだ全然、これから家づくりを考えていく段階で本当に注文住宅がいいのか?といった基本的な方向性に悩んでいる方や、今回紹介したようなポイントが夫婦間でまとまり切らない方も、ぜひお気軽にご相談ください。
住宅の性能は等級いくつで・・・という比較検討は、これらの整理がついてから、じっくりやればよいでしょう。
その比較検討をする前に、まずはご家族がなぜ家づくりをされるのか?建てた家でどんな暮らしがしたいのか?そんな根本的な相談や、「分からないことが分からない状態」でもぜひお気軽にご相談ください。







