2024.11.08
令和7年度(2025年度)のZEH補助金の情報を先取りでお伝えします。なお、環境省の概算要求を参考に作成したコラムになります。制度概要だけでなく、補助金を上手に活用する方法も紹介していますので、25年度に家づくりをする方は必見の記事です。
今回は、来年度の補助金情報を先取りでお伝えしていきます。
なお、今回の情報は環境省の概算要求をもとに作成しているため、確定情報ではない旨をご理解の上ご覧ください。
さらに、補助金の上手な活用方法もお伝えしていきますので、この記事を参考に賢く家づくりをすすめていきましょう。
それでは、当コラムのまとめから見ていきましょう。
・補助金額は、ZEHで55万円 / 戸、ZEH+で90万円 / 戸 が基本
・蓄電池を導入するなど条件にあてはまると、追加で補助金が出ます
・期間は例年通りであれば、2025年5月頃~ 申し込みが開始される
・(24年10月時点)子育てエコホーム支援事業の後継補助金制度は未定で、来年度の予測は立っていない
・今秋~冬にかけて、じっくり住宅会社の選定して春頃に間取り確定・各種計算を終わらせることで、ZEH補助金をスムーズに提出できる
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1. 令和7年度(25年度)ZEH補助金額
出典:環境省・概算要求
補助金額は、ZEH(ゼッチ)で55万円 / 戸、ZEH+(ゼッチプラス)で90万円 / 戸 が基本となります。
ZEHとは、断熱性能・省エネ性能が一定基準をクリアしている住宅のことで、基本的には太陽光発電で電気の自給自足ができる住宅のことです。
なお、富山県の場合は積雪地域として特例で、太陽光発電がなくてもZEH Oriented(ゼッチ オリエンティッド)としてZEH同等の扱いになります。
電気が自給自足できる太陽光発電は、昨今の光熱費上昇・災害多発の状況から見ても、設置した方がおすすめですが、このあたりは総額の予算との調整になってきます。
また、ZEH+(ゼッチプラス)は、ZEHより断熱性能がいいことや、EV(電気自動車)の充電コンセントが付帯していること等の条件をクリアした住宅になります。
どちらを選ぶか?は、間取りや住宅会社の仕様、総額差とのバランスになります。
出典:環境省・資料
ZEH | ZEH+ | |
令和7年度 補助金額
※概算要求での見込み |
55万円 / 戸 | 90万円 / 戸 |
断熱性能
※富山の基準 |
断熱等級5 以上
※UA値:0.6W/㎡・K以下 |
断熱等級6 以上
※UA値:0.46W/㎡・K以下 |
省エネ性能 | BEI 20%以上 | BEI 25%以上
※省エネ機器の制御や設備の効率的運用等により再エネの自家消費率拡大 |
太陽光発電 | 必須ではない
※富山県では |
必須ではない
※富山県では |
追加要素 | 以下で追加補助金あり
・蓄電システムを導入(2万円/kWh・上限額20万円/台) ・低炭素化に資する素材(CLT(直交集成板))を一定量以上使用 ・先進的再エネ熱利用技術を活用する場合に別途補助蓄電システム 等 |
・高度エネマネ、おひさまエコキュート、 EV充電設備を導入する場合も別途補助:高度エネマネ定額2万円/戸等
以下で追加補助金あり ・蓄電システムを導入(2万円/kWh・上限額20万円/台) ・低炭素化に資する素材(CLT(直交集成板))を一定量以上使用 ・先進的再エネ熱利用技術を活用する場合に別途補助蓄電システム 等 |
1-1. オプションでの補助金 追加条件
蓄電池を導入するなど条件にあてはまると、追加で補助金が出ます。
詳細は前章での条件になることと、詳細については24年10月時点では未定のため、実際の確定情報がオープンになるのは25年4月以降になると予想されます。
これらの項目は、まずはZEHなどの補助金条件に当てはまっている前提で、追加となる項目のため、補助金狙いの方はまずはベースの補助金狙いがおすすめです。
代表的な機種の簡単な説明も解説しておきます。
◆住宅用蓄電池
画像引用:シャープ株式会社
住宅に備え付けになっている蓄電池で、現在主流になっている容量は10kWh前後の蓄電池です。
この蓄電池で、一般的なオール電化の家庭で1日に使用する電力の約半分をまかなうことができます。
災害時の停電への備えだけでなく、太陽光発電と組み合わせることで、電気の自給自足率を上げて光熱費をさらに抑制する効果があります。
◆おひさまエコキュート
画像引用:コロナ株式会社
普通のエコキュートとの違いは、太陽光発電の電気を活用するべく、昼間にお湯を沸かす機能が付帯していることです。
エネルギー・マネージメント・システムやインターネットとの連携で、翌日の天気に応じて太陽光発電で発電した電気を、より有効的に活用するエコキュートです。
売電単価が下がっている一方、買電の電力単価が上がっている昨今、蓄電池と同様、電気の自給自足率をあげる仕組みとして有効的な給湯器として注目されています。
◆高度エネマネ
画像引用:国立環境研究所
正式名称としては、高度エネルギー・マネージメント・システム(別名HEMS)と言います。
家の電気使用量をリアルタイムで測定して、電気の配分の最適化を図ったり、節電へのアドバイスを行ったりと、電気を中心としたエネルギーの有効的な活用を自動で行ってくれるシステムです。
◆CLT(直交集成板)
画像引用:日本CLT協会
CLT(直交集成板)とは、木の板を繊維方向が直角に交わるように重ねたパネルで、大型施設の構造躯体にも使われている、強固な木造躯体です。
コスト面からも、一般住宅に使われることは少ないですが、注目されている木材の種類です。
3. 子育てエコホーム支援事業とのすみわけ
出典:子育てエコホーム
新築向け補助金には、もう1つ注目すべき補助金制度があります。
令和6年度では、「子育てエコホーム支援事業」で、建築業界ではZEH補助金より、こちらの補助金の方が実は注目度が高い制度になります。
理由は、単純にZEHで80万円・長期優良住宅で100万円の補助金額となっており、適用できる範囲や補助金額が高い、という理由があります。
ZEH補助金との併用はできません。
なお、この「子育てエコホーム支援事業」は、政府の補正予算の中で組まれている制度のため、令和7年度も使える制度が出てくるかどうか?は、現時点では予測が立てにくい状況です。
例年の傾向および建築業界を全体的に俯瞰して見ると、同様の制度が出てくる可能性が高い予想をしますが、ここについては確定情報がないため断定的なことには触れないでおきます。
4. ZEH補助金を上手く活用する方法
補助金を上手く活用する方法は、ズバリ「余裕を持って検討するコト」です。
今秋~冬にかけて、じっくり住宅会社を選定して春頃に間取り確定・各種計算を終わらせることで、ZEH補助金をスムーズに提出できます。
ZEH補助金を受ける建物は、補助金の採択が完了してからでないと着工できないため、補助金を狙おうと思うと来年夏以降の着工になります。
ただ、来年夏以降で十分!という方からすれば、このスケジュールからの逆算で考えればよいため余裕を持って検討ができます。
24年秋~ | 住宅会社の選定・検討・見学会などで決めていく |
24年冬~25年春 | 候補の会社で見積や図面を作成する
絞った住宅会社と請負契約をする |
25年5~6月頃 | プランの詳細を煮詰めて確定する
確定したプランで省エネ計算などを実施 |
25年夏 | 着工 |
25年秋~冬 | 完工 |
以上のようなスケジュールにあてはまると、補助金も同時並行でしっかり活用しやすいです。