2024.07.19
ZEHとは、どんな住宅なのか?そして、そのメリットやデメリットを分かりやすくお伝えしていきます。長期優良住宅との違いってなに?どっちがいいの?こんな疑問の解消から、YUIでのZEH基準をクリアしている施工事例の見どころを紹介していきます。
今回は24年度も始まり、ZEH補助金が注目を集めています。
さらに今年度は子育てエコホーム支援事業という補助金制度もありますが、そもそもZEH(ゼッチ)にする必要ってあるの?
そもそも、ZEHって何なの?
こんな疑問をお持ちの方におすすめの記事内容になっています。
住宅業界全体でZEHが普通になりつつありますが、ZEHの意義や知られざるメリットをわかりやすく解説していきます。
それでは今回の記事の要点から見ていきましょう。
・ZEHとは、“ 実質的に ” ゼロエネルギーで暮らす家
・長期優良住宅は、ZEHレベルの断熱性・省エネ性に加えて、耐震性能やバリアフリー等様々な観点でのチェックがあり、さらに行政庁の認定を受けることでZEHよりもメリットが大きい
・メリットは快適性および光熱費の抑制になりますが、温熱環境が安定しているだけでなく、健康的に長く暮らすことができ、長寿命にも好影響かつ医療費の抑制にもつながる
・さらに、四季による温熱環境が安定していることで、温度の懸念を心配し過ぎることなく、大きな空間・吹き抜けを設計しやすい
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1. そもそもZEHとは
出典:朝日新聞デジタル
ZEHとは、“ 実質的に ” ゼロエネルギーで暮らす家です。
ゼロエネルギー住宅と言っても、本当に電気やガスを使わずに生活することはできないため、太陽光発電で創り出すエネルギーとプラスマイナスにして、“ 実質的に ” ゼロにする家を指します。
ZEHでは、元々エネルギーを使いにくいような工夫として、断熱性や省エネ性が高い住宅設備機器が導入されている家になっており、基本性能としてもエコな家になっています。
なお、富山県を含む北陸地方は多雪地域となっていますが、太陽光発電がなくても補助金が適用にできる場合もあります。
1-1. 長期優良住宅と何がちがうの?
似たような用語として「長期優良住宅」というものがあります。
まずは、どちらも高性能な住宅、ぐらいに思って頂ければよいでしょう。
正確にお伝えすると、大きな違いは「行政庁(自治体)の認定を受けること」、そして「ZEHは省エネのみ、長期優良住宅は省エネを含む耐震性など家全体の基準があること」です。
1つ目は、第三者機関での住宅各部位のチェックを受け、さらに行政庁での審査を経て長期優良住宅の「認定」が出ます。
ZEHでも第三者認証として「BELS」というものが普及していますが、行政庁の認定ではないため税金の優遇などはありません。
2つ目の違いですが、ZEHは断熱性・省エネ性の一定の基準をクリアすればZEHになります。
一方、長期優良住宅は認定を取得するために、断熱性・省エネ性に加えて耐震性能やバリアフリー性能など、長く安心して住み続けることができる家になっている点が違いになります。
長期優良住宅は税金の優遇があったり、住宅ローン控除の優遇額が最大限利用できたりと、現在の制度上ではオトクになる要素が多いです。
2. ZEHにする必要性は自己防衛と設計自由度
ZEHにするメリットは、大きく分けて「快適性」と「光熱費の削減」の2つになります。
2-1. 快適性
ZEHは、高い断熱性と省エネ性によって、居室の温熱環境が安定しやすく、年中快適に暮らしやすい家になっています。
断熱性の低い家では、特に冬などは寝起きが布団からなかなか出られない、という方も多いでしょう。
ZEH以上の断熱性があることで、温熱環境が安定して生活もラクになってきたり、ヒートショックなどを抑えて健康的に長く暮らせる点が一番のメリットでしょう。
出典:国土交通省・資料
温熱環境の安定は、上図のように各種疾患を抑制したり、さらに健康的に暮らせることで、医療費まで抑えることができるメリットまであります。
健康住宅への居住による疾病改善に伴う医療費削減額と所得損失回避額の合計 は、世帯あたり年間 58,632 円と算出(出典:LIXIL・ニュースリリース)されています。
長く健康的に暮らせる、という自己防衛を家の設計で実現できる、と言っても過言ではないでしょう。
2-2. 光熱費の削減
出典:住宅リフォーム推進協議会
高くなっている光熱費を抑えて、経済的な暮らしをするという自己防衛がZEHでは可能です。
断熱性能が高い=冷暖房の効きが良いことから、同じように冷暖房をしていても自然とエアコンの稼動時間が減り、光熱費の削減に繋がります。
さらに太陽光発電があることで、日中に発電している電気を自分で使ったり、余った電気を売って副収入にすることもできます。
富山県は「ZEH oriented」のエリアになるため、補助金をもらうだけの条件であれば太陽光発電は必ずしも必要ではないものの、できれば太陽光発電は設置した方がよいです。
なお、2024年度は富山市でも充実した太陽光発電の補助金がありますので、ぜひ活用して太陽光発電をオトクに設置しましょう。
◆富山市 2024年・補助金情報
◆自己所有 太陽光発電:7万円 / kW(上限35万円) 蓄電池:補助対象経費の1/3(上限5万円/kWh・総上限40万円)
◆PPA 太陽光発電:7万円 / kW(上限35万円)
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2-3. 設計の自由度を高める
昔の家は吹き抜けをつくると冬に寒くなる、といったデメリットがありました。
しかし、ZEH以上の断熱性能にすることで、吹き抜けやオープンな間取りを作っても、温熱環境が安定しやすいことから設計の自由度があがります。
むしろ、エアコン1台でワンフロアの冷暖房ができるため、オープンな空間の方が冷暖房効率がよくなるメリットもあります。
耐震性も確保した上で、均一な温熱環境が生み出すメリットは、暑い・寒いをそこまで気にしなくても間取りが取れる点になります。
3. YUIでのZEH以上の性能を持つ住宅の事例
YUIでは、標準仕様としてZEHレベル以上の性能がありますが、特にZEHのメリットを活かしたプランを採用している事例を紹介します。
3-1. 縦横に広がる空間を楽しむ家
出典:縦横に広がる空間を楽しむ家
1つ目の事例は、富山市内で吹抜を大きく設計した「縦横に広がる空間を楽しむ家」です。
この事例では、断熱性能をZEH以上のランクで設計し、写真のような大きな吹抜があっても、温熱環境が安定しやすいようになっています。
吹き抜け部分には天井扇を設けて、上下間の温度差を解消しやすいようにもなっており、真夏・真冬などの外気温の環境が厳しい時期も安心できます。
ZEHレベルの断熱性は、昨今もはや当たり前になりつつありますが、高断熱のメリットを最大限活かせる注文住宅は魅力的です。
3-2. 立ち止まって感じる心地よさ
出典:立ち止まって感じる心地よさ
2つ目の事例もZEHレベルの住宅性能を確保した上で、そのメリットを最大限に活かした住宅になっています。
リビングの天井高をあげて開放的なリビングにしていたり、階段をオープンなタイプで設計していたりと、温熱環境としては不利な条件で設計されています。
それでも、エアコンの最低限の運転だけで安定した空気環境が実現され、空間の開放的な雰囲気とともに、実生活における快適性を兼ね備えています。
◆ 住宅性能値
断熱性能等級:5(ZEH基準をクリア)
一次エネルギー消費量等級:6(ZEH基準をクリア)
3-3. ホテルライクな二世帯住宅
出典:ホテルライクな二世帯住宅
3例目は、二世帯住宅をピックアップします。
こちらの事例でも写真のとおり、大きな吹き抜けが魅力的な家になっています。
吹き抜け上部に大きな窓を設けており、1階からも2階からも視線の抜けが大きく確保されており、この上ない開放的な空間を楽しむことができます。
一方で、このような大きな吹き抜けは断熱性・省エネ性を確保しておくことで、パッと見の見た目だけでない、本当に快適な空間が実現できます。
◆ 住宅性能値
断熱性能等級:5(ZEH基準をクリア)
一次エネルギー消費量等級:6(ZEH基準をクリア)
4. まとめ
YUIでは、ZEHレベルの断熱性・省エネ性が標準仕様となっています。
デザイン性や、開放的な空間設計を得意としていますが、このような抑えるべき性能面についても確保した上での設計でご提案しています。
快適性や光熱費の抑制といったメリットだけでなく、建築するタイミングや各種条件がマッチすれば、補助金の対象にもなる住宅になっていますので、よりオトクに建築できるようになります。
ZEH補助金について詳しく解説している記事もありますので、あわせてご覧ください。
2024年(令和6年度)新築向け補助金・ZEH支援事業の概要を解説