3. 富山県における最適な断熱性能とは
YUIでは富山での気候を考慮しつつ、最適な断熱性能を断熱等級5~6と設定しています。
もちろん、さらに高いランクである断熱等級7に設計することもできますが、建築コストとのバランスが取れなくなってくるため、積極的にはおすすめしていません。
富山の主要地域は5地域といって全国的に見ても、雪は多いものの寒冷地ではないことから断熱に集中投資ではなく、建築コストや家づくりにおける他の要素(間取り・広さ・心地よさなど)とのバランスも考慮しながらの家づくりをおすすめしています。
3-1. 断熱の「リアルな」効果
もちろん、北海道で建築する場合と同じような設計では成り立ちませんが、ここでは富山県の気候を考慮した上で、断熱による効果はどれくらいなのか?を見ていきましょう。
断熱による効果として2つあげた、① - 快適性の向上、② ‐ 光熱費の削減額 を考察していきます。
1つ目の、高断熱住宅における快適性の体感の満足度を示した興味深いデータがあります。
上図は経済産業省が毎年出している、ZEH調査報告書の中で「冷暖房の効きに対して、悪いと感じていない割合」、すなわち冷暖房の温熱環境に一定の満足がある方の割合です。
ZEHを超える断熱性があると、9割近い方が温熱環境に満足しており、さらに性能を高めていっても、その “ 差 ” はわずかになっています。
一方、光熱費の削減効果についても、こちらの表を見てみましょう。
※YUI・永楽町モデルハウスでの試算
高断熱にすることで冷暖房費の抑制にはなるものの、最高等級に上げても月に削減できる光熱費は数千円ほど。
性能がいいことは決して悪いことではありませんが、建築コストとのバランスも考えて納得できる「ちょうどいい性能」がおすすめと言えます。