2. 細かすぎる ” こだわり ” ポイント
それでは、専門的な視点から見る「細かすぎて伝わりきらないポイント」をお伝えしていきます。
なお、下飯野モデルの場合のため、他のモデルハウスなどではケースバイケースで異なる納め方になる場合もありますので、1つの参考としてご覧ください。
2-1. 窓サッシまわりの「納まり」
結では窓サッシには「窓枠」をまわして施工することが少ないです。
窓枠とは、室内側の窓のまわりに差し込んでいる木製の枠のことですが、この枠がある理由は施工のしやすさからです。
結では窓枠を使わず納めていることから、シャープな印象を創り出します。
また一般的に縦横4方向に枠をまわす、腰高窓についてもYUIでは基本的に下枠のみ。
その下枠も壁からの出っ張り(建築用語では「ちり」と言います)を最小限にして、野暮ったさが出ないようにしています。
2-2. 収納扉の「納まり」
窓サッシと同様、一般的には建具を設置する際に「枠」をはめ込んで、その枠に建具を入れ込んでいきます。
しかし、この枠は建築上の納まり上、あった方が施工がしやすい反面、デザイン上のノイズになりがちです。
この枠を無くして仕上げていくことにより、生活感が出やすい収納扉すら、スタイリッシュな佇まいを創り出します。
また、下飯野モデルの解説図の扉では、壁と同じクロスを使うことで壁と一体化させて収納建具とわかりにくいようになっています。
2-3. 階段の「納まり」
また、壁側の納め方にもこだわっています。
一般的には「巾木納め」もしくは「側板納め」のいずれかで階段と壁を納めていきます。
階段は施工も難しいこともあり、分厚い側板や巾木を使うことが一般的ですが、下飯野モデルの場合はいずれの納め方でもなく、非常にスッキリとした納め方をしています。
壁と踏板・蹴込板を一体化させたような納めになっており、ノイズを出さないデザインで仕上げています。
そして階段の手すりの「支え」も、階段の踏板で支えています。
理由はリビング側からみたとき、手すりと壁の接合部が丸見えにならないように配慮しているから、と階段1つ見てもデザインに対するこだわりを徹底しています。
下飯野モデルは、オープンな階段になっており、階段の ” 側面 ” がリビングから見えるため、この階段の ” 側面 ” の見え方にもこだわっています。
片面がオープンになっている階段を「ひな壇階段」と言いますが、一般的には蹴込(階段の垂直面)の納まりを隠すためにカバーを付けることもあります。
下飯野モデルでは、側面からの見え方をシャープにするため、踏板(階段の水平面)と蹴込板を同一素材にして、目につく切り口も加工で整えています。
また、踏板と蹴込板の厚さ(建築用語では「見付」と言います)を揃えることで、全体のシャープさを演出しています。
※もちろん踏板には滑り止めの加工を施しています
2-4. 照明の「納まり」
下飯野モデルのダイニングには、スポット照明を採用しています。
このスポット照明ではレールが露出しないよう、掘り込みを作ってレールを隠しています。
これにより天井面のノイズ、空間におけるノイズをなくしています。
一般的にはシーリングライトを設置する接合部がそのまま見えたり、レールが見えるような納め方が一般的です。
デザイン上、あえてレールを見せるような場合もありますが、下飯野モデルの場合はスッキリさと洗練されたオトナのインテリアがベースになっているためレールを隠しています。
2-5. キッチン前のカウンターの「納まり」
キッチン前はダイニング側から使える収納スペースを設けていますが、収納扉とカウンターとの間に隙間を設けています。
この薄い隙間をあえて作ることにより、カウンターが浮いているようなイメージかつ、シャープな印象を創り出します。
前面の造作収納は、色見をキッチンの背面収納やリビングの収納と合わせた収納になっていますが、ノイズになりやすい取手はありません。
そして、カウンター自体の見付(厚み)も薄いカウンターを使ってシャープさを演出。
さらには、前項で解説した階段と同じ見付(厚み)に統一している点も、全体コーディネートにおいてのこだわりです。
2-6. 室内窓の「納まり」
吹き抜けのデメリットである「音問題」を解決するべく、2階の廊下ホールには壁を設けています。
その中で全て壁にすることなく室内窓を取り入れていますが、FIX窓を採用しています。
この窓も、上部・サイドには枠を回さず壁と一体化するような納めにしており、唯一ある下枠も「見付け」と「チリ」を極力コンパクトにしてシャープな設計にしています。
※見付:ここでは枠自体の厚みを指します
※チリ:ここでは壁と枠材の出っ張り寸法を指します
なお、下飯野モデルではモダンなシンプルデザインをベースに設計しているため、このようなスタイルにしています。
全体コーディネートによっては、YUIでも枠がある室内窓を使うこともあり、デザインに合わせた最適な納め方まで考えてご提案しています。