家づくりコラム

2023.05.05

コラムデザインは積み重ね。下飯野モデルハウスの細かすぎる見どころポイント

下飯野モデルを例にYUIの注文住宅におけるデザインのこだわりを、細かすぎる視点で解説。建築の納め方などについても、少しマニアックな視点で紹介。色や素材だけでなく、建築技術でデザイン・コーディネートを洗練させるためのポイントを大公開!

 

今回は下飯野モデルハウスの細かすぎる見どころポイントをお伝えしていきます。

 

デザインをおしゃれに仕上げていくためのコツを、少し専門的な視点からみていきます。

 

モデルハウスを見学する時の見るべきポイントの参考にもしてください。

 

それでは、今回の記事の要点からみていきましょう。

 

 

・下飯野モデルのテーマは「縦横に広がる空間を楽しむ家」

 

・窓や建具などに使う「枠」に対して、こだわりを持ってモダンかつシャープなデザインに見えるよう設計

 

・空間における様々なノイズを排除し、全体のコーディネートを統一

 

・デザインは色や素材だけでなく、小さい「納まり」の積み重ねでデザインを洗練させる

 

 

1. トータルコーディネート

モデルハウスのトータルコーディネート

出典:縦横に広がる空間を楽しむ家

 

下飯野モデルは、薄いグレーとメープル色のやわらかい木目で構成した北欧スタイルをベースに、モダンかつシンプルさで統一感を出したコーディネートです。

 

テーマは「縦横に広がる空間を楽しむ家」。

 

ホテルのロビーを感じさせる吹き抜けリビングとワイドテラスで、色合いだけでなく開放感や住んでから買ってよかった、と思える普段の生活で満足感を感じるデザインになっています。

 

それでは、本記事の本題である「細かすぎる ”こだわり” ポイント」を紹介します。

 

2. 細かすぎる ” こだわり ” ポイント

それでは、専門的な視点から見る「細かすぎて伝わりきらないポイント」をお伝えしていきます。

 

なお、下飯野モデルの場合のため、他のモデルハウスなどではケースバイケースで異なる納め方になる場合もありますので、1つの参考としてご覧ください。

 

2-1. 窓サッシまわりの「納まり」

デザイン性を高める上での窓の納まり

結では窓サッシには「窓枠」をまわして施工することが少ないです。

 

窓枠とは、室内側の窓のまわりに差し込んでいる木製の枠のことですが、この枠がある理由は施工のしやすさからです。

 

結では窓枠を使わず納めていることから、シャープな印象を創り出します。

デザイン性を高める上での窓枠のこだわり

また一般的に縦横4方向に枠をまわす、腰高窓についてもYUIでは基本的に下枠のみ。

 

その下枠も壁からの出っ張り(建築用語では「ちり」と言います)を最小限にして、野暮ったさが出ないようにしています。

 

2-2. 収納扉の「納まり」

デザイン性を高める上での収納扉のこだわり

窓サッシと同様、一般的には建具を設置する際に「枠」をはめ込んで、その枠に建具を入れ込んでいきます。

 

しかし、この枠は建築上の納まり上、あった方が施工がしやすい反面、デザイン上のノイズになりがちです。

 

この枠を無くして仕上げていくことにより、生活感が出やすい収納扉すら、スタイリッシュな佇まいを創り出します。

 

また、下飯野モデルの解説図の扉では、壁と同じクロスを使うことで壁と一体化させて収納建具とわかりにくいようになっています。

 

2-3. 階段の「納まり」

デザイン性を高める上での階段のこだわり

また、壁側の納め方にもこだわっています。

 

一般的には「巾木納め」もしくは「側板納め」のいずれかで階段と壁を納めていきます。

 

階段は施工も難しいこともあり、分厚い側板や巾木を使うことが一般的ですが、下飯野モデルの場合はいずれの納め方でもなく、非常にスッキリとした納め方をしています。

 

壁と踏板・蹴込板を一体化させたような納めになっており、ノイズを出さないデザインで仕上げています。

 

そして階段の手すりの「支え」も、階段の踏板で支えています。

 

理由はリビング側からみたとき、手すりと壁の接合部が丸見えにならないように配慮しているから、と階段1つ見てもデザインに対するこだわりを徹底しています。

デザイン性を高める上での階段側面のこだわり

下飯野モデルは、オープンな階段になっており、階段の ” 側面 ” がリビングから見えるため、この階段の ” 側面 ” の見え方にもこだわっています。

 

片面がオープンになっている階段を「ひな壇階段」と言いますが、一般的には蹴込(階段の垂直面)の納まりを隠すためにカバーを付けることもあります。

 

下飯野モデルでは、側面からの見え方をシャープにするため、踏板(階段の水平面)と蹴込板を同一素材にして、目につく切り口も加工で整えています。

 

また、踏板と蹴込板の厚さ(建築用語では「見付」と言います)を揃えることで、全体のシャープさを演出しています。

 

※もちろん踏板には滑り止めの加工を施しています

 

2-4. 照明の「納まり」

デザイン性を高める上での収納レールのこだわり

下飯野モデルのダイニングには、スポット照明を採用しています。

 

このスポット照明ではレールが露出しないよう、掘り込みを作ってレールを隠しています。

 

これにより天井面のノイズ、空間におけるノイズをなくしています。

 

一般的にはシーリングライトを設置する接合部がそのまま見えたり、レールが見えるような納め方が一般的です。

 

デザイン上、あえてレールを見せるような場合もありますが、下飯野モデルの場合はスッキリさと洗練されたオトナのインテリアがベースになっているためレールを隠しています。

 

2-5. キッチン前のカウンターの「納まり」

デザイン性を高める上でのカウンターのこだわり

キッチン前はダイニング側から使える収納スペースを設けていますが、収納扉とカウンターとの間に隙間を設けています。

 

この薄い隙間をあえて作ることにより、カウンターが浮いているようなイメージかつ、シャープな印象を創り出します。

 

前面の造作収納は、色見をキッチンの背面収納やリビングの収納と合わせた収納になっていますが、ノイズになりやすい取手はありません。

 

そして、カウンター自体の見付(厚み)も薄いカウンターを使ってシャープさを演出。

デザイン性を高める上でのシャープさの演出

さらには、前項で解説した階段と同じ見付(厚み)に統一している点も、全体コーディネートにおいてのこだわりです。

 

2-6. 室内窓の「納まり」

吹き抜けのデメリットである「音問題」を解決するべく、2階の廊下ホールには壁を設けています。

 

その中で全て壁にすることなく室内窓を取り入れていますが、FIX窓を採用しています。

デザイン性を高める上での室内窓のこだわり

この窓も、上部・サイドには枠を回さず壁と一体化するような納めにしており、唯一ある下枠も「見付け」と「チリ」を極力コンパクトにしてシャープな設計にしています。

 

※見付:ここでは枠自体の厚みを指します

※チリ:ここでは壁と枠材の出っ張り寸法を指します

 

なお、下飯野モデルではモダンなシンプルデザインをベースに設計しているため、このようなスタイルにしています。

 

全体コーディネートによっては、YUIでも枠がある室内窓を使うこともあり、デザインに合わせた最適な納め方まで考えてご提案しています。

 

3. まとめ・今後見学可能なモデルハウス

 

YUIでは、このような小さいことの積み重ねでデザインを洗練させています。

 

今回紹介したコーディネートをマネしていただいても構いませんが、部分的に採用したとしても、ちぐはぐになる可能性が高いです。

 

その家のスタイルに合わせた納まりに都度アレンジをしているため、他の家でも同じようにフィットするとは限りません。

 

また、施工的にも難しい納まりが多いため、一般的な工務店では断られることも多いと思われます。

 

部分的にマネをするより、このように「細かい部分までこだわっている工務店を選ぶこと」が一番の近道ではないでしょうか。

 

3-1. 見学可能なモデルハウス

見学可能なモデルハウス

今回紹介したモデルハウスは、23年6月頃までの公開しています。

 

23年6月以降は永楽町モデルハウスなど、随時見学可能なモデルハウスがあるため、気になった方は都度モデルハウスの予約フォームからお気軽にお問い合わせください

 

 

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