1.窓の基礎知識
窓は、外と繋がる場所という役割だけでなく、壁に比べて熱が出入りしやすい場所でもあります。
昨今は高気密高断熱住宅が主流になっていますが、窓の大きさを小さくしたり、数を減らして家全体の断熱性能値を上げてくる会社もあります。
確かに断熱性能は良くても、せっかくの新築が窓が小さい・少ないとなれば窮屈な感じになるので残念ですよね。
まずは、窓の基本的なポイントを抑えて、ご自身の考え方に合ったスタイルを選ぶ参考になさってください。
1-1. 窓には大きく2つのタイプがある
結でも使っている断熱性能が高い窓には、日射遮蔽型と断熱型という2つのタイプがあります。
遮蔽型は、直射日光を「遮蔽」しやすい設計思想になっています。
夏はいいですが、冬は陽射しを遮蔽されてしまうと、暖かさを取り込みにくくなることから、軒の出(庇)がない南側の窓などにおすすめです。
一方、断熱型は熱を逃がしにくい設計になっており、南側以外の場所でおすすめです。
また夏の直射日光を遮る庇と同時に設計するのであれば、南側に設置することもよいでしょう。
1-2. UA値を正しく知る
高断熱住宅の基準として、UA値という数値を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
UA値はあくまでU値(部位ごとの熱の通過しにくさ)をAverage(平均)した数値です。
UA値が高い数値だったとしても、それは家全体の平均であり、平均値を上げようと思えば、単純に窓のサイズを少なくする・小さくするという手法でも可能です。
そのためUA値がよくても、実際に住んでみると大きなリビングの窓から寒さ・暑さを感じて温熱環境が思ったほどでない、という後悔に繋がることも考えられます。
UA値も大事ですが、個々の部屋の窓の大きさや、空間の大きさなどトータルで考えた設計が大事です。