家づくりコラム

2022.11.18

コラムおしゃれな建築デザインを創り出す「細かすぎる」こだわりポイント

おしゃれな家を創り出すためのテクニックやポイントを解説。普段より一歩深く建築にこだわった視点で解説をしていきます。ただし、これらのテクニックを部分的に採用してもカッコよくなるとは限りません。最終的なバランスなど最も大事なポイントも紹介。

 

今回は、「おしゃれな家」を創り出すために重要な要素を、「細かすぎる視点」で紹介していきます。

 

特に、結ではモダンスタイルのデザインが多いですが、デザインは細かい部分の積み重ねと、全体からのバランスから成り立っています。

 

そんな細かい部分のデザインのこだわりを、施工事例から少しお見せしていきます。

 

それでは、まず今回の記事のポイントです。

 

  

・窓や幅木など、普段は目立たない造作部材の納め方でデザインが洗練されていく

 

部分的な納め方も大事で、階段1つ見てもできるだけスッキリさせる納め方にしている

 

建具を壁と一体化させることで、閉めている場合は収納部とわからないようになる

 

・実はこれらのテクニックを単純に使ったらカッコよくなるものではなく、全体デザインとの最適、コストとのバランスが大事です

 

 

1. 一般的な見どころ

まずは、富山市新庄町での施工事例を全体俯瞰でみたときのデザイン上のポイントをみていきましょう。

シンメトリーの構成のおしゃれな家の外観

直線的なラインで構成するデザインで、特に印象的なポイントはインナーガレージと連続性を持たせたシンメトリーの構成です。

 

グレーの外壁は、耐久性が高くヒビ割れの起きにくい素材を吹付けた外壁高耐久低汚染型弾性スタッコの吹放し仕上げと呼ばれる吹付外壁になっており、時間帯によって陰影による印象変化が生まれやすい外壁です。

 

1-2. 内観

ホワイトをベースにしたおしゃれな家の内観

内観は、モダンな印象でホワイトをベースにした、ホワイト / ブラックのスタイリッシュなスタイルです。

 

特にリビングの吹き抜けによって広さも感じることができ、インナーテラスを併用して外部からの視線をカットしやすい設計になっています。

 

まさにスタイリッシュな雰囲気に加えて、真の開放感まで考えた住宅です。

 

2. 結のデザイン上の細かいこだわり

それでは、今回の記事の核となる「細かいこだわり」をこちらの施工事例を基に紹介していきます。

 

2-1. 玄関

こだわりが生み出すおしゃれな家の玄関

・来客用の動線と、生活動線として車庫から入る動線を分けている

・天井高いっぱいまでに窓を設計し、薄框と細い幅木を使うことでシャープな印象を創る

・テラスのタイルと玄関タイルの目地ラインを揃える「こだわり」が生み出す統一感

 

まず一般的な玄関は、靴を収納するボックスなどがあったり、シューズクロークへの扉があります。

 

今回の事例では扉も収納ボックスもなく、スッキリさせてホテルライクな魅せ方に注力しています。

使い勝手にもこだわったおしゃれな家のクローク

ただし生活動線として、インナーガレージから入れる動線側に収納類を多く設けており、デザインだけでなく使い勝手にもこだわっています

 

また、この玄関のデザイン上のポイントは窓・框(かまち)・幅木の3つです。

 

薄框と細い幅木で納めており、入った瞬間のシャープな印象は薄框と幅木から生まれるもので、できるだけ空間ノイズを排除したシャープな印象を創り出します。

 

そして入った瞬間の「視線の抜け~シンプルな中庭~インナーテラスの視線の留め」に至るまでの開放感と、それをジャマしない窓を床から天井まで名一杯に取っています。

 

さらに、結では玄関タイルと中庭のタイルを統一するだけでなく、目地のラインも現場で揃えることにより、中と外の空間の連続性、法則性のある統一感を演出しています。

 

ここは、事前の打合せで指定があったわけではなく、デザインに対する現場監督さん・職人さんの想いから、乱れの無いデザインに仕上がっていると言えます。

 

2-3. リビング

洗練されたおしゃれな家のリビング

・カーテンレールは見せない、壁と自然な形で一体化することと、壁見切縁などのノイズを出さない工夫を施している

・階段を側面から見た場合のノイズをなくすため、階段の側板の内側に手すりを設置

・収納部を壁のような納まりにして生活感をなくしている

 

玄関~リビングの入口はブラックガラスのドアを採用し、非日常空間のような入口としています。

 

◆吹抜の納め方

また細かいポイントは、建具を天井まで持ってきていることでデザインを崩さない工夫がされています。

おしゃれな家を作る際の壁見切縁

そして一般的にここまで大きい吹き抜けの場合、1階と2階の間の壁に「壁見切縁」という部材がきます。

 

1階と2階の構造上の微細なズレなどを目立たせないように入れる部材ですが、どうしても空間ノイズになります。

 

当施工事例では、デザインで壁見切りの代替として、そしてカーテンレールを見せないよう壁と自然な形で一体化させることで、空間全体のバランスを調和させています。

 

壁を ” ふかせる ”(少し前に出す)ことで間接照明にも、カーテンレールにも、壁見切りの代わりにも、空間のアクセントにもなる設計になっています。

 

また、施工的にも難しい部分でもありますが、結の職人さんによる高い技術力に支えられている点も忘れてはいけません。

 

◆階段の納め方

2つ目は、リビングのアクセントになっているアイアンのオープン階段(ブラック)です。

 

階段を側面から見た場合のノイズをなくすため、階段の側板の内側に手すりを設置している点が、見た目へのこだわりです。

 

◆収納の納め方

テレビを壁掛けにして余計な家具を後付けしなくてもよい納まりにしていますが、隣接するリビングの収納部分(テレビの右側)にこだわっています。

 

一般的には折戸や開き戸を配置するような場所ですが、天吊アウトセットと呼ばれる枠を回さない納め方をすることで、閉めたときに ” 収納 ” ではなく ” 壁 ” に見えるような工夫がされています。

 

取っ手もみせないような工夫をしており、壁への一体化を徹底しています。

 

2-4. ダイニング・キッチン

キッチンはLIXILの最上位グレードであるリシェルを採用。

 

アイランドタイプにすることで、キッチン本体のデザインをしっかり表現でき、モノトーンの全体デザインを崩さない扉柄で選定されました。

 

そして細かいポイントは背面収納となっており、扉を扉として認識させないような工夫が盛り込まれています。

 

【収納扉:閉】

【収納扉:開】

左右の収納建具や取手レスにすることで、閉めている時はまるで壁のように魅せることができます。

 

カップボード自体も既製品ではなく、造作による設計になっています。

 

結では造作家具とのトータルコーディネートも可能で、ケースバイケースで色・素材・納まりをピッタリなモノにすることができます。

 

エアコンも天井埋込型として極力目立たないような工夫をしています。

 

天井埋込型はメンテナンスが気になる方も多いですが、一般的な大きさ・仕様で下からメンテナンスもできるため特に心配は不要です。

 

3. 家のデザインはテクニックだけではない

おしゃれな家にはバランスと適材適所が重要

富山市の施工事例をモデルにして、普段は解説しない細かいポイントを紹介してきました。

 

ただし、実はこれらのテクニックを単純に使ったらカッコよくなるものではありません

 

また、コストの高い設備はデザインを高めやすいものの、安直に使うと最終的にコストが大変なことになります。

 

家のデザインは、バランスと適材適所が重要になります。

 

同じものを使っていても、配置のバランスや配色のバランス、特にモノトーンのデザインでは空間を見たときの白と黒の割合などでも、印象が変わってきます。

 

これらは、その家ごとに考えて設計しなければならず、2の章で紹介したテクニックだけで成り立っているものではありません。

 

そこが建築の面白いところでもあり、住宅会社で差が出るポイントでもあります。

 

4. まとめ

結で使っているデザイン上のテクニックを少し紹介しましたが、どこまでいっても1つのテクニックであり、違う家になれば使えないモノも多数あります。

 

お客様の要望や全体のデザインをベースに一から構成していける部分が結の強みであり、他の会社ではなかなか真似できないと自負しているポイントでもあります。

 

気になった方は、ぜひ他の会社のモデルハウスを回った後に、結のモデルハウスを見学にお越しください。

 

今回ご紹介した富山市新庄町の家は、2022年11月27日(日)までの公開です。

ただ見るだけじゃなく、細かい工夫にも注目してみてください。

ご予約はこちらから。

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