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2022.12.02
2023年度(令和5年度)の、国(経産省・環境省)による住宅補助金の情報と、補助金を上手く活用するためのコツを紹介。また、22年10月から長期優良住宅などで基準が変更されている内容まで網羅。これらの基準や制度を利用する際の注意点なども解説します。
今回は、2023年度(令和5年度)の、国(経産省・環境省・国交省)による住宅補助金の情報を先取りで一早くお伝えしていきます。
この記事では、補助金の概要だけでなく、補助金を上手く活用できるタイミングや、長期優良住宅などの基準改正の内容もお伝えしていきます。
それでは、まず今回の記事のポイントです。
・環境省のZEHが一番利用しやすく、23年度補助金額は55万円/戸と予測される
・ZEHは例年5月頃から一次募集が始まることから逆算すると11~12月頃から検討開始、春ぐらいに住宅会社を選定・間取りなどを確定させておくと補助金が活用しやすい
・22年10月から、長期優良住宅や認定低炭素住宅、フラット35Sの金利Aプラン適用も、ZEH同等の断熱・省エネ性が要求されてくる
・補助金を利用する際はデメリットがあることも理解し、上手く活用できるのであれば活用すると良いでしょう
まず今回の内容は、例年8月後半に出てくる「予算概算要求」から推測している内容になっており、確定情報ではない旨あらかじめご了承ください。
概算要求とは、“ 来年度にこんな施策にこれだけの予算を使いたい “ という各省庁の要求をまとめたものです。
この概算要求を基に来年度の予算配分が決まり、おおむね概算要求に沿った内容
になるため、来年度の補助金も推測できます。
それでは、住宅に関係する予算をみていきましょう。
ZEH(ゼッチ)は、例年おなじみになっている補助金制度で、一定以上の性能がある住宅に対して補助金が出るものです。
気になる補助金額(環境省管轄)は、令和4年度と全体予算・1戸あたりの要求額は同じになっているため、おおよそ令和5年度も55万円になる可能性が高いものと推測されます。
環境省が定めるZEHの条件から、さらに省エネ性を高めることや、蓄電池やHEMSなどの高度省エネ機器の導入などの条件が追加されます。
補助金額は令和4年度では100万円/戸となっており、高額な補助金ではあるものの、蓄電池他の設備機器で100万円以上のイニシャルコストが必要です。
特に、元々蓄電池やEV・V2Hなどを導入したい方にはおすすめですが、まだ少数派となっています。
それでは23年度に新築を検討している方向けに、補助金を上手く活用するためのスケジュールや条件をみていきましょう。
まだ詳細なスケジュールは決まっていませんが、例年同じようなスケジュールになっているため、令和4年度のスケジュールを基に解説していきます。
補助金を余裕を持って上手に活用できるスケジュールを結論から申し上げると、
補助金のスケジュールから逆算すると、冬に住宅会社の選定やプラン・見積の打合せを開始すると、だいたい丁度いいタイミングで、補助金の申請をすることができます。
ここでは23年度の補助金の話から少し外れて、住宅性能の基準見直しについて紹介します。
基準が見直しされる主な制度は、こちらの4つ。
・認定低炭素住宅の断熱・省エネ基準の引き上げ
・性能向上計画認定住宅の断熱・省エネ基準の引き上げ
・フラット35S 金利Aプランを適用できる住宅の断熱・省エネ基準の引き上げ
住宅性能の基準見直しは、補助金以外の各種制度を利用する際にも必要になってくる内容です。
22年9月までは、断熱のランクを表す等級が4つでしたが、10月以降は7つになります。
細分化されたわけではなく、今までの最高等級であった「断熱等級4」の上に、「断熱等級5~7」が上乗せされたイメージです。
各認定を取得するためには断熱性能をさらにUPさせる必要があります。
これまで富山県で長期優良住宅などを適用する場合、UA値換算で0.87 W / ㎡・K以下であれば基準をクリアしていましたが、ZEHの基準に相当するUA値換算で0.6 W / ㎡・K以下が求められてきます。
結でも基準に対応できる仕様での設計は可能です。
昨今の住宅は断熱性能だけでなく、省エネな設備機器を導入しているか?という部分もチェックします。
生活に必要な設備機器(冷暖房・照明・換気・給湯など)で、基準からどれだけ省エネか?を計算するものが「一次エネルギー消費量」というもので表されます。
こちらも断熱と同様、基準の見直しがあります。
22年9月までは、省エネ基準に関してはバラバラでしたが、10月以降は概ね一次エネルギー消費量等級6を取得することが条件になってきています。
言い換えると、基準から約2割以上省エネの機器導入が前提ということです。
ここまで補助金をスムーズに受けやすいスケジュールや、基準の見直しなどを紹介してきました。
ただ、補助金を受けることにはデメリットがある側面も理解しておきましょう。
主に考えられるデメリットはこちらです。
・断熱性能などを上げるためにプランの制約が出る場合がある
・補助金採択邸は3~5年程度、居住状況のアンケートに協力する必要がある
特に住宅の性能にこだわりすぎると、住宅本来の住み心地や間取り、窓の大きさなどで制約が出てきます。
補助金55万円は魅力的ですが、「補助金に合わせた家」では本末転倒では?と私たちは考えています。
プラン打合せなどを進める段階で、「家族が満足して住みやすい家を建てる」、という本来あるべき大事なことを忘れないよう気を付けましょう。
例えば、部屋を広く感じるために考えるべき3つのポイントと広く感じる事例3選で紹介している事例の中には、断熱性能からは逆行するような大きな窓を取った開放的な家もあります。(もちろん富山の省エネ基準は大幅にクリア)
ただ補助金を優先すると、ここまで思い切ったプランはコスト的に上がってくるため、優先事項を冷静に考えていきましょう。
23年度の補助金や制度概要の改正内容を、いち早く紹介しました。
ただし、ご自身が建築されるタイミングや、住宅の設計仕様・プランなどが補助金の条件に当てはまる、もしくは妥協できる範囲で補助金を受けられる、という状況であれば補助金を活用するとよいでしょう。
はじめての家づくりでは余裕がなくなってくる傾向にあるため、補助金を活用したい方は、今回紹介したスケジュールなども参考にしてみてください。
また時期に縛られない補助金として、市町村で用意されている補助金もあり、その詳細はこちらでも解説しておりご覧ください。
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