家づくりコラム

2022.09.23

コラム新築の間取り検討で、実家や今の家に引っ張られないためのコツ

新築の間取り検討する際、実家や今住んでいる家を知らぬ内に参考にしてしまう方は少なくありません。昔の家で想定している生活スタイルや、性能自体も異なることから、引っ張られるデメリットも解説。今の新築にマッチした間取りの考え方を見ていきましょう。

 

新築での注文住宅を検討する中において、実家や今住んでいる家の間取りやスタイルに寄せてしまうことがよくあります。

 

今回は、そんな間取りを検討する上で、実家や今の家に引っ張られず検討することのメリットや、引っ張られ過ぎないコツ・ポイントなどを紹介していきます。

 

それでは、まず当記事の要点をみていきましょう。

 

 

 ・実家や今住んでいる間取りに引っ張られすぎると、予算があがったり、間取りに制限をかけてしまったりする原因になります

 

 ・富山県は全国的にみても大きな家が多い地域で、部屋の広さの目安を実家基準にすると、必要以上に大きくなってしまう可能性もあります

 

 ・今の家は断熱性も高くなっており、それに伴って間取りの自由度があがっています

 

 

      

 

1. 実家や今の家のスタイルに引っ張られる現象

新築の際に実家の間取りが浮かぶ

間取りの打合せを進めていると、よく「実家(今住んでいる家)がコレなので同じにしてほしい」と言われることがあります。

 

住んだことがあるスタイル・暮らし方を引き継ぐ、安心感のようなものでしょうか。

 

もちろん、そのスタイルが住みやすい場合そのまま採用することもありますが、実家に引っ張られ過ぎると損をしてしまうことになりかねません

 

どんな点で損をしてしまうか?

 

それは、「予算があがること」「間取りの制限を自らかけてしまうこと」につながりかねない点です。

 

1-1. 予算が上がる原因に

新築の間取りを実家に近づけると予算が上がる

出典:都道府県別統計とランキングで見る県民性(住宅・土地統計調査 2013)

 

富山県は全国的に見ても「家が大きい県」として有名で、実家が50坪を超えるような大きな家だった、という方も少なくないのではないでしょうか。

 

実家のリビングが20帖だったので、リビングだけで20帖は必要!となると建築コストが比例して上がっていきます。

 

広さを感じる設計上の工夫は帖数だけでなく色々あり、同じ帖数でも広く感じさせる設計が結では可能です。

 

帖数に代表される、家の大きさは冷静に考えることがおすすめです。

 

1-2. 間取りの制限を自らかける原因に

昔の新築と今の新築の間取りの違い

「昔の家」と「今の家」は、生活スタイルだけでなく、住宅そのものの性能が異なります。

 

昔の家は断熱性能も低かったため、大きな空間を取りにくく、廊下と各部屋が分断されている間取りが主流でした。

 

しかし昨今は、断熱性能なども上がっていることで、廊下が少なく居住スペースに使える割合が上がってきています

 

また、今まで住んだことがある家のイメージが強すぎると、新しい発想が出にくい側面もあります。

 

せっかく新築するので、これからの生活スタイルにあった間取りを考えていきましょう。

 

結では、間取りや設計上の要望はできるだけお伺いして、反映できるように努めていますが、プロならではの視点でもアドバイスを行い、いっしょに創り上げていきます。

 

2. 知らぬうちに住んでいた家に寄せているケース

それでは、家の部位ごとに「よくある実家に寄せているケース」を紹介していきます。

 

2-1. トイレの数や位置

新築の間取りでトイレを1つにするケース

出典:のびやかな暮らしが叶う北欧モダンの平屋

 

意外と多いのが、実家のトイレが1個だったためトイレは1個で、というケースです。

 

以前は2階の水まわり設備から水漏れを懸念することから、避けられることもありました。

 

共働き世帯が多い現在では朝にトイレが1個では少々不安であり、昨今のコロナ問題等からもトイレは2個あった方がよいでしょう

 

また、トイレの位置も昔は給排水管の関係から近い位置に配置されることが多かったですが、現在はヘッダー配管と言ってメンテンナンスもしやすい配管構造になっているため、お風呂や洗面と隣接させる必要はありません。

 

2-2. 念のための和室

新築の間取りで和室は必要か

出典:カジュアルモダンハウス

 

迷う方も多いポイントですが、和室を独立で設けておく目的は冷静に考えておきましょう。

 

今の生活で、だれかが来訪したり泊まりに来ることが年に何回あるか?

 

たまに親族が泊まる、というぐらいであればリビングで泊まってもらうことで解決もできます。

 

部屋を検討する中では、使用目的や使っているシーンが具体的にイメージできなければ無くても良いでしょう。

 

なお、和室の設計の考え方は、【1階の構成編】35坪の注文住宅における、時代に合った間取りの考え方でも詳しく紹介しています。

 

2-3. 納戸の必要性

新築の間取りで収納を設ける際のポイント

出典:シンプル&ナチュラルに暮らす家

収納は悩む方が多いポイントです。

 

まずは、ご自宅で収納されている衣服や季節モノなどを見返して、新居に持っていくものと ” 断捨離 ” するものとに分類してみましょう。

 

一方で、新たに買い直したいモノもあるのではないでしょうか。

 

何を収納するのか、決まっていないスペースを大きく取る必要はありませんが、決まっていないのであれば、ガランとした納戸も選択肢の1つです。

 

ただ結では、部屋の大きさや配置バランスを考えて、コの字型・I字型などの使いやすい形状と、可動・固定棚を問わない造り付け収納パーツを活用したクローゼットでご提案することが多いです。

 

何をどこに置くのか、ある程度イメージをした上で計画すると良いでしょう。

 

2-4. 外部物置き・玄関収納

新築の際の外部物置の設け方

出典:家族で楽しむパークガーデンのある家

 

以前は、ヨド物置のような物置を置かれる方が多かったですが、結では外回りで使うモノの収納は、デザイン面の観点からビルトインタイプの外部収納にすることが増えています

 

1人1台車を持つことが多い富山では、保有台数分のスタッドレスタイヤをどこかに保管する必要があるため、新築時にタイヤの置き場所は考えないといけません。

 

外部収納であれば外観を損なうことなく、スッキリ収納できるだけでなく、雪かき道具ぐらいであれば収納でき、使い勝手や動線の広がりも生まれます。

 

昨今は断熱技術が発達しており、外部収納を設計しても寒さが侵入してくる、といった心配はありません。

 

また、玄関収納も以前のような下駄箱が設けられているスタイルから、シューズクロークで部屋にしてしまうケースも多くなっており、外部収納に関する考え方も昔の家と比べて大きく変わってきています。

 

2-5. 建具の必要性

新築の間取りでの建具の必要性

出典:開放的で美しいデザインの家

 

以前は、廊下・玄関とリビングを仕切らないと、寒さ・暑さが伝わってきましたが、断熱性能が高い家では必要以上に仕切る必要はありません

 

住宅の性能が上がれば、温熱環境のコントロールを目的とした仕切りがなくてもいいため、家全体をひとつの空間として設計できます。

 

このことから、間取りの自由度も昔に比べて上がっており、開放的な間取りも多くなっています。

 

3. まとめ

今やこれまでの生活習慣をベースに考えすぎると制約が大きくなってきます。

 

また予算制約のある中で、実家のイメージにとらわれると、こだわれる箇所が少なくなってきます。

 

それでも、住みやすさや慣れは大事な部分ではあるので、希望はどしどし出しつつも、とらわれ過ぎないようにすると良いでしょう。

 

結では、敷地の大きさや形状・お施主様の好みに合わせたプランニングを、暮らし方も含めた結ならではのアイデアで提案しています。

ぜひ一緒に「今とこれからの生活にベストな間取り」を考えていきましょう。

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