家づくりコラム

2026.04.24

コラム注文住宅で削っていい部分・ダメな部分?コストダウンの優先順位の付け方

物価高で新築費用が上昇する中、注文住宅の賢いコストダウン方法を解説します。設備や内装のグレードを下げるより、床面積の見直しや平屋へのこだわりの再考が効果的です。費用対効果を考慮した適切な住宅性能と家族の優先順位で満足度の高い家づくりを。

 

昨今は、世界的な物価高や金利上昇の影響を受け、新築の建築費用も上がってきています。

 

そのため、限られた予算の中で「どこにお金を掛け、どこを削るか?」という悩みを抱える方も少なくありません。

 

しかし、単に安くするだけでなく、“ 賢い取捨選択 ” を行うことこそが、結果として満足度の高い、コスパの良い家づくりに直結します。

 

今回は、注文住宅で検討すべきコストダウンの要素や、その考え方をわかりやすく紹介していきます。

 

それでは、今回のコラムの要点から見ていきましょう。

 

 

・建築費用は、コロナ禍以前と比べて約1.4倍までになっている(建設物価調査会)ため、以前よりも限られた予算を上手く活用することが重要性を増している

 

・平屋志向の方が増加しているものの、2階建てに比べて割高になることから、その家に何年住み続けるか?を冷静に判断することが大事

 

・住宅設備やクロスといった、施主が選ぶ設備・内装では劇的なコストダウンには繋がりにくい

 

・住宅性能も冷静な視点で見る必要があり、特に断熱性・省エネ性はこだわり始めると “キリがないモノ” で、費用対効果を見て必要性を判断することがおすすめ

 

・住宅にかかる価値観は人それぞれで、ご夫婦でどこまでお金をかけるか、ライフプランと共に話し合うことが一番、満足できる家づくりにつながる

 

1. 建築費用の大枠を決める「面積」の見直し

建築コストを左右する床面積

建築コストをもっとも大きく左右するのは、やはり「家の大きさ(床面積)」です。

 

キッチンやお風呂のグレードを少し下げたとしても、全体の建築費から見れば微々たるものになりがちです。

 

一方で、建物を1坪(約2畳)小さくできれば、数十万円単位でのコストダウンが可能になります。

 

まずは、固定概念にとらわれず、自分たちにとって本当に必要な広さを見極めることが、コストダウンの第一歩です。

 

1-1. 平屋にこだわり過ぎないこと。代替手段がある

コストと暮らしのバランス

出典:光と素材に包まれる、和モダンの家 | 株式会社 YUI

 

昨今のトレンドとして「平屋」が非常に人気ですが、コストの面から見ると注意が必要です。

 

平屋は2階建てに比べて、基礎(コンクリート部分)や屋根の面積が広くなるため、同じ床面積であれば割高になる傾向があります。

 

「老後のことを考えて平屋がいい」という意見も多いですが、もし現在30代であれば、老後を迎えるのは30年以上先のことです。

 

その30年間のために、今の予算を無理して平屋にする必要があるのか、一度立ち止まって考えてみるのも良いでしょう。

 

例えば、1階に寝室としても使える部屋を設けた「1階完結型の2階建て」にするなど、平屋に近い暮らし方をよりリーズナブルに実現する方法もあります。

 

1-2. 廊下や収納の考え方を変える

適材適所の収納で、賢くコストダウン

出典:平屋のように暮らす、インナーガレージの家 | 株式会社 YUI

 

面積を抑えるテクニックとして有効なのが、「廊下を極力なくす」ことです。

 

廊下は移動するためだけの空間ですが、ここを「ファミリークローゼット兼廊下」にしたり、リビングと一体化させたりすることで、実質的な居室スペースを削ることなく、全体の坪数を減らすことができます。

 

また、収納についても「不安だから」と過剰に大きくするケースが見受けられますが、収納が多すぎると逆にモノが増えてしまう原因にもなりかねません。

引越しを機に断捨離を行うことを前提に、必要最低限かつ「適材適所」の収納計画を立てることが、賢いコストダウンにつながります

2. 設備・内装でのコストダウンの現実

設備とコストの現実

次に、キッチンやトイレなどの住宅設備機器や、壁紙などの内装材についてです。

 

ここを削れば安くなると思われがちですが、実は劇的なコストダウンにはつながりにくい部分でもあります

 

キッチンやシステムバスは、どれだけ安くとも定価で100万円を超えてきます。

 

さらに、商品ごとの値引き率が設定されており、標準的なグレードは値引き率が高く、高級グレードは値引き率が低い仕組みになっています。

 

そのため、例えば標準的なキッチンで定価で30万円分削ったとしても、30万円丸々安くなるわけではなく、その30万円×?%(グレードやメーカーにより様々)が実際のコストダウン額になるわけです。

また、標準仕様がある住宅会社の場合、その標準仕様はおおよそ「一番スタンダードなグレード」に設定されていることが多く、そこからグレードダウンのしようがないモノということもよくある話です。

3. 住宅性能は「費用対効果」で判断を

近年、重要視されている「断熱性」や「耐震性」といった住宅性能ですが、ここは「削ってはいけない部分」の筆頭です。

 

性能を削って建築費を安くしても、住み始めてからの光熱費が高くなってしまっては、トータルでの出費は変わりませんし、何より健康や快適性が損なわれては本末転倒です。

 

3-1. ただし、性能追求にはキリがない

地域に合わせた「適切な高性能」

ただし、性能も上を見ればキリがありません

 

例えば、北海道基準のような超高断熱仕様を、比較的温暖な地域で採用しても、かけた費用ほどの光熱費削減効果が得られない場合もあります。

 

大切なのは、その地域の気候に合った「適切な高性能」を見極めることです。

 

「最高等級」という言葉だけに踊らされず、イニシャルコスト(建築費)とランニングコスト(光熱費)のバランスを見て、費用対効果が良いラインを住宅会社の担当者と相談することをおすすめします。

 

3-2. 性能差による満足度の違い

性能差による満足度の違い

出典:ZEH調査委員会2025

 

断熱性を筆頭に性能のランクがありますが、実際の差はどうなのでしょうか。

 

国交省・環境省が実施しているZEH補助金にまつわる、調査委員会の資料を引用すると興味深いデータがあります。

 

上図は断熱等級別に、住んでみて快適だったと回答した割合を示しています。

 

等級があがるにつれ、「温度差が少なくなり負担が減った」という回答が多くなっています

 

ただ、ZEH相当の等級5であったとしても、6割近い方が満足している実態と、最高等級の7でも約8割超なっており「約2割の方が差を感じている」と言い換えることできるでしょうか。

4. 優先順位こそが満足度の鍵

満足度を左右する、家族の優先順位

予算オーバーした際、最終的に頼りになるのは、ご家族の中での「優先順位」です。

 

とにかく「性能(暖かさ)」を優先したいのか、友人を招きたくなるような「デザイン」を優先したいのか?

 

もしくは、家事が楽になる「間取り(広さ)」を優先したいのか?

 

この軸が定まっていないと、あれもこれも削ることになり、結果として「ただ安くしただけの家」になってしまい、満足度が下がってしまいます

 

ご夫婦やご家族で、「ここだけは譲れない」「ここは妥協できる」という価値観を共有しておくことが、限られた予算の中で最良の家をつくるための秘訣です。

5. まとめ

納得の家づくりをサポートするYUI

今回は、注文住宅におけるコストダウンの優先順位の付け方について解説してきました。

 

単に設備や内装を安くするのではなく、床面積や間取りの見直しが効果的であることや、平屋や性能への過度な追求についても、冷静な判断をおすすめします。

 

何より大切なのは、限られた予算の中でメリハリをつけるために、ご家族で家づくりの優先順位をしっかりと話し合うことです。

 

YUIでは、お客様のライフスタイルに合わせた最適なプランをご提案していますので、家づくりに関する疑問や不安がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

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