1. 断熱性能とは
新築を検討すると、「断熱」というキーワードがよく出てきます。
断熱とは、その字の通り「(夏)外からの熱を遮断して冷房の効きを良くする効果」や「(冬)家の中の熱を逃げにくくして暖房の効きを良くする効果」が見込めます。
この断熱性能は、家の間取りや採用する断熱材の種類・厚さ、窓の大きさや性能などで1邸1邸異なってきます。
まずはこの断熱性能に関する基本を見ていきましょう。
1-1. UA値とは
よく断熱性能を表す数字として、UA値(ゆーえーち)というものが出てきます。
UA値とは、家の部位(屋根や壁など)から、外部とどれぐらい熱が伝わりやすいか(熱還流率=U)を平均値(AverageのA)で表した数値です。
数値が低くなればなるほど、断熱性能が高く保温性が高い家になります。
国が設定している富山県の基準は「 0.87W / ㎡・K 以下」となっていますが、この基準はひと昔前のものであり、もはやクリアして当たり前の基準となっています。
1-2. 富山県は5地域
国では日本を省エネ地域区分という、気候に応じて8つの区分けがされています。
その中で富山県は5地域で、埼玉・茨城・群馬の一部地域などと同じ分類になっています。
もちろん断熱材を厚く・高性能なタイプにすれば、その分居住性は上がっていきます。
しかし大事なことは、富山の気候・コスト・最終的に得られる効果(冷暖房負荷の軽減や体感のちがい)といった側面を総合的に考えて、断熱を検討することが大事です。
1-3. 断熱材の種類は大きく分けて2種類
木造住宅における断熱材は、2種類あります。
1つは、専門の職人が断熱材を現場でモコモコの断熱材を吹き付けていく吹付断熱方式です。
吹付方式のメリットは、隙間なく充填できることで壁内結露などを起こしにくい一方、コストは充填方式に比べて高くなりがちです。
なお、結では特に指定がなければ吹付方式を採用しています。
そして、2つ目は布団のような断熱材を壁や床などに詰めていく「充填方式」です。
グラスウールやロックウールといった繊維系の断熱材、もしくはウレタンフォームなどのポリエステル系の断熱材がこれにあたります。
充填方式のメリットはコストが安いことと、種類が豊富であることですが、一方で適切な場所に、適切に入れないと本末転倒な結果になることもあります。
例えばグラスウールは自重が重いため、壁には不向きで天井や床に向いています。