2. 間取りの要素・考え方
間取りは個々の土地の大きさ・家族構成・ご家族の考え方や趣味、といった要素がまずベースにあります。
この形を具現化していくのが、結の仕事ではありますが、「一般的な間取り構成」という固定概念から脱却するコトで選択肢が広がることをご提案していきたいと考えています。
もちろん、この間取り自体が悪い訳ではなく、合理的な設計であるものの全てのお客様に最適解だとは考えていません。
結では間取りだけでなく、暮らし方もご家族に合わせてご提案しています。
その中で、「寝室」「和室」「タタミコーナー」といった間取り上の要素を掘り下げて考察していきますので、ぜひ考え方の参考にしてください。
2-1. 寝室の位置は1階か2階か
結では必ずしも2階に限らず、1階に設けるパターンを提案することもあります。
上図の事例では、1階寝室となっています。
写真の階段はリビング内階段になっており、寝室をリビングに隣接した ” くつろぎスペース ” としても活用することができます。
1階寝室の機能性のメリットは、生活動線としても就寝前後に階段の上り下りをしなくてよいことです。
また外観上のデザイン的なメリットとしても、1階に寝室を設けることで1階に比重が置かれるため、総二階の ” のっぺりしたデザイン ” になりにくくなります。
そのため機能とデザインの2つを両立しやすく、今後のファミリー世帯にマッチしやすい間取り構成の1つではないでしょうか。
一方デメリットでは、屋根や外壁の量が多くなってくるため、コストアップにはつながります。
2-2. 和室
昨今、仏間・仏壇を置くスペースが無くなっており、床の間を絶対条件とされる方が減っていることから、和室自体のニーズは減少しています。
客間かつ親・友人がくるといった理由で和室を設ける方もいらっしゃいますが、法事や親族の集まりも年に1~2回であれば、リビングに布団敷いても用途としては済んでしまいます。
そのため和室の必要性を冷静に考えていくと、使わないのでは?と感じる方が多いのではないでしょうか。
ただ一方で、最近増えてきているのは、リビング続きの「タタミコーナー」です。
これも役割・目的としては「客間」ではなく、「リビングの延長」としての位置づけになるため、リビングを少し大きめに設計し、一部をタタミにすることも35~40坪程度の住宅で十分可能です。
また1つの考え方ですが、上の事例はリビング自体を「和室のように床座でくつろげる仕様」にした設計事例です。
人はフラットな所より、もたれる・腰かけれる場所が落ち着くこともあり、ゴロっと横になりながら休日を過ごしたい方にとっては、面白い選択肢になりえるのではないでしょうか。
上の事例では、リビングの一部をフローリングとフラットな形でタタミにしています。
ご家族の要望や使い方に合わせて、タタミにも幅広い使い方があります。
2-3. タタミコーナー(ヌック)の活用方法
和室を客間兼リビングとして設けている事例も結では多くありますが、その中の一部を紹介していきます。
上図の事例では、LDK横に3帖ほどのタタミの小上がりを設けています。
同じスペースに造作デスクと本棚も配され、使用用途としては「子供の遊び」「勉強スペース」「リモートワークのデスク」といった、ごろりと寛ぐのにも・勉強などにも、丁度いい多用途な使い方ができる空間です。
「客間だけ」「リビングの延長線の空きスペースだけ」という場所では勿体ないため、最初の設計段階でデスクや本棚など、ご家族の使い方を考えた場所にしておくことをオススメします。