家づくりコラム

2022.03.18

コラム至高のプライベート空間。インナーテラスのメリットは?

「インナーテラス」とインスタグラムなどで検索されて、色々な事例を見て憧れている方も多いのではないでしょうか。

 

今回は屋外空間ではありつつ、リビングやダイニングの延長空間として、様々な活用ができるインナーテラスは人気が高い設計の1つです。

 

結でも、よくお客様へご提案していますが、一方でデメリットがあることもしっかりお伝えしていきたいと思います。

 

建ててから後悔しないため、デメリットもしっかり理解しつつ、インナーテラスの設計で気を付けるべき点も解説していきます。

 

それでは、まず今回の記事の要点ポイントからみていきましょう。

 

 

・インナーテラスは、他の一般的なテラスと比較してプライベート感、家との一体コーディネート感が異なる。

 

・インナーテラスのメリットは、プライバシーを確保しやすい点です。

 

・インナーテラスのデメリットは、エクステリアの塀などと比べてコストがかかる点です。

 

 

1.インナーテラスとは

注文住宅でインナーテラスを設けた例
出展:庭が生む寛ぎの時間がある家

 

インナーテラスとは、家の中央や下屋で半屋外になっているテラス、もしくは家の外壁と同じ素材で囲まれたテラスのことです。

 

一般的なテラスは、ウッドデッキ・タイルテラスのようにリビングから、段差がほとんどなく出ることができる屋外空間になります。

 

晴れている日はテラス上に出ると、開放感もあり気持ちのいい空間ですね。

それに対してインナーテラスは、屋外空間ではありつつ屋内のようなプライベート感覚で使えるテラス空間であり、一番の大きな違いは壁で囲まれているか否かです。

 

1-1.他のテラスとの違い

エクステリアでつくる塀でも同じことでは?と思う方もいるのではないでしょうか。

 

目隠しという側面では同じ役割を果たしますが、エクステリアの塀はどうしても後付け感が出て、家全体のコーディネートとしてはスマートにデザインしにくいことがデメリットです。

外観と一体感のある注文住宅のインナーテラス

出展:静かな時が流れるアトリエハウス

 

インナーテラスは、家の外壁素材と合わせてコーディネートを行うため、外側から見たときにテラスがあると分かりにくく、スマートな外観に仕上げやすい点が違いです。

 

上記の結での事例は、家の正面右手にあたる部分がインナーテラスですが、外壁の色と似せてデザインをしているため、一体感を生み出しています。

 

また外壁だけでなく、下屋と呼ばれる家の屋根を延長した屋根を被せることもあります。

 

下屋があることで、より一層プライベート感も出て天候に左右されず使いやすい空間になりますが、日射を取り込みにくくなりますので、目的や使い方を考えながら設計していく形になります。

 

用途だけであれば、サンルームでも似たような空間を設計できますが、エクステリアの塀と同じように後付け感は否めないでしょう。

 

2.インナーテラスの特徴

それでは、一般的なインナーテラスの特徴を掘り下げてみていきましょう。

 

2-1.インナーテラスのメリット

インナーテラスのメリットは、こちらの5点です。

 

 

・リビングなどの続きで広がりがあるフレキシブル空間が生まれる 

 

・プライバシーを確保しつつ視線の抜けを作れる

 

・風通りがよく、採光を豊富に取れる(屋根がないインナーテラス)

 

・バーベキューなど「おうちアウトドア」をしやすい

 

(屋根もしくは下屋があるインナーテラス)天候に左右されず洗濯物を干せる

 

 

ンナーテラスも下屋(1階部分の屋根)を伸ばしたタイプと、屋根がないタイプでメリットが分かれますが、共通して言えるポイントは「室内に居ても、視界が外(空)に抜けることで感じる開放感」です

 

内でも外でもない注文住宅のインナーテラス

出展:パノラマの景色が広がる家

 

リビングと床の段差がほとんどなく設計することもあり、その場合リビングが外と繋がっているような感覚が魅力です。

 

その感覚と、カーテンを開けてもプライバシーが確保できるため、「視線の抜け」が大きくとれます。

 

意匠設計において、視線の「抜け」と「留め」の使い分けは重要な要素で、インナーテラスは視線の「抜け」を最大限に確保できます。

 

屋根がないインナーテラスの場合、水平方向への視線の抜けに加えて、上空への空間の拡がりがさらに生まれ、とても気持ちの良い開放感を生み出します。

 

暖かい季節は窓を開け放つことで、室内にいながら日射と風をたっぷり感じる拡がりのあるリビングになるでしょう。

 

窓を開け放てる注文住宅のインナーテラス

出展:ボーダレスにつながる2階リビングの家

 

また下屋や屋根があるタイプのテラスであれば、天候に左右されず屋外のリビング空間を活用できます。

 

雨の日に、窓際が濡れる、雨が入り込んでくるストレスなく、通風・換気のための窓をあけることもでき、バーベキューなどの「おうちアウトドア」も気軽に楽しむことができます。

感染症も広がる現在、なかなか外でバーベキューなどを楽しみにくくなっている中、インナーテラスは家族の時間も充実にさせる要素が詰まっています

 

2-2.インナーテラスのデメリット

一方、インナーテラスのデメリットもしっかり見ていきましょう。

 

 

・エクステリアの塀などと比べてトータルのコストは高くなる

 

・下屋があるタイプのインナーテラスは建築面積として含まれることが想定される

 

・テラスの床面の素材・色への設計上の配慮が必要

 

 

まず1点目はコストの観点です。

 

インナーテラスと同じ役割を後付けで考えれば、エクステリアの塀でも役目という意味では同じです。

 

コストを比較すると、一般的にはインナーテラスの方がトータルのコストは高くなる場合が多いでしょう。

 

ただし、コスト面も重要ではありますが、家の全体的なコーディネートや家全体の価値も考えて選択することが大事です。

 

そして2点目は、建築面積に関する事項です。

 

土地は「建ぺい率」と言って、土地の面積に対して建てることができる建物の床面積を制限しています。

 

一般的に屋外のテラス空間は床面積に含まれませんが、下屋があり半屋内のようになっているインナーテラスは床面積に算入されることがあります。

 

算入されることによるデメリットは、固定資産税として評価額面積に含まれることや、居室の面積が圧迫される可能性があることです。

 

面積がコンパクトで都心部に近い土地を購入される方は、あらかじめ設計も考えた上で検討していきましょう。

 

最後は、照り返しなど眩しくなり過ぎない配慮が必要という点です。

 

テラスの床面の素材や、色への配慮はもちろんですが、オーニングなどの併用などもよいでしょう。

 

光を遮る下屋や庇を付けられない家でも、最近はオーニングを付けられる方も増えています。

 

オーニングは、使わないときは取り外したり、しまっておけるので外観にも影響を受けにくく便利なアイテムです。

 

このように、インナーテラスもデメリットを理解しつつ、季節を通じたトータルの使い方まで設計できる会社で設計することで失敗・後悔するリスクを減らせます

 

3.結の設計の考え方とまとめ

メリットとデメリットをふまえて、結ではインナーテラスを積極的にお客様へご提案をしています。

 

単純にエクステリアで半屋外のプライベート空間ではなく、あえてインナーテラスを設けることで、今まで普通と思っていた「昼間も夜もカーテンを閉じて生活する」必要がなくなります。

 

インナーテラスに興味を持たれた方は、ぜひ結のモデルハウスで実体感してみてくださいね。

 

なお、インナーテラスをさらに深堀りした真のメリットや、結での設計事例とポイントをじっくり解説するインナーテラスは暮らしをアップグレードする結の設計こだわりポイント」も、合わせてご覧ください。

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