家づくりコラム

2022.08.12

コラム家事動線が良い家は水まわりの距離が短いだけじゃない?家事動線の考え方

家事動線は、洗面所や家事室、キッチンが近ければ良い?実はそれだけが良い家事動線とは言い切れません。結でご提案している、もう1つの家事動線の考え方や、動線計画を通じて生活リズムを整えることを学べる記事です。本当に使いやすい家事動線とは?

 

「家事動線が良い家」とは、玄関または勝手口などの外部からキッチン・水回りスペースへの「距離が短いこと」を想像する方が多いのではないでしょうか?

 

それも正解ですが、実は家事動線を上手く設計するコツとしては、それだけではありません。

 

今回は、家事動線にまつわる考え方について掘り下げていきます。

 

家事でストレスが多く新築では快適にしたい、と思っている方に必見の内容です。

 

それでは、まず今回の記事のポイントです。

 

 

・水まわりの「距離を短くすること」だけでなく、「家事の用途によってエリアを固めること」も大事です。

 

・距離を短くすることに重点を置いた間取りは、テキパキ動きたい方にオススメです。

 

・料理や洗濯といった家事を行うエリアごとに固めることに重点が置かれた考え方は、順序だてて家事をしたい方にオススメです。

 

・どちらが良いかの正解はなく、ご自身の生活リズムに合った間取りにしていくことが大事です。

 

 

1. 家事動線の考え方とは

まず「家事動線」とは、間取りを検討する上で、家事を行うエリア(キッチン・洗面脱衣室・お風呂・収納など)を、それぞれで行き来しやすいような設計にすることです。

例えばキッチンや洗面脱衣室などを隣接することで、料理のちょっとした空き時間に、洗濯を開始する、といったことができます。

このように ” 動線 ” がいいことで、家事もスムーズにいきやすいと言われています。

単純には、キッチンなど水まわりに関する部屋が近ければいいのでは?と思いがちですが、実はそれだけではありません。

このような「距離が短い動線」以外に、「使い方に合わせた動線」という考え方もあります

それでは、この2つの家事動線についての特徴をみていきましょう。

2. 距離が短い家事動線の特徴・考え方

距離が短い家事動線の事例

出典:解説用に作成した一般的な間取り例

 

一般的に多い家事動線の考え方で、定番的に人気のある考え方です。

 

キッチン〜洗面~風呂が横並びで行けるようになっていたり、水まわり設備が単純に近く、クルっと回って行けるような間取りにする考え方になります。

 

この家事動線は、家事をしている時にテキパキ動きたい方にオススメです。

 

理由は、同時並行的に家事を進めることに向いており、共働きなどで常に忙しく、1つ1つの家事を早く終わらせることに重点が置かれる方に良いでしょう。

 

キッチンの周辺に、洗面~洗濯室などを固めた方がテキパキ動くことができ、一気に家事を終わらせやすくなります。

 

一方で、作業性としてはすぐに移行できる反面、慌てて焦りやすい側面や、間取りによってはキッチンとサンルーム(乾燥室)が近くなり、ニオイ移りが気になる可能性もあります。

 

2-1. 家事動線コンパクトタイプの特徴

サンルームの位置に工夫した家事動線の事例

出典:結 施工事例(ゆとりの暮らしに辿りつく家)

 

家事の中でも、距離を短くすることでメリットが出やすい家事は「洗濯」です。

 

富山ならではのポイントで、洗濯機とサンルーム(乾燥室)をどう置くか?がキーポイントになってきます。

 

洗濯機を置く場所としては、お風呂に隣接した脱衣室、もしくはサンルーム(乾燥室)が想定されます。

 

マンションや建売住宅では、洗面脱衣サンルーム(乾燥室)が一体になってることが多いですね。

 

上図の事例では、脱衣室と洗濯室(+サンルーム)を分離して、洗濯を行う~洗濯物を干す

~洗濯物を仕舞う、洗濯全てにかかる ” 動線 ” を短くしています

 

外干し・室内干し・乾燥機派、色々な考え方がありますので、人によりベターな解答は異なりますが、距離を短くすることで洗濯にかかるストレスは減らせるでしょう。

 

サンルームにまつわる家事動線については、室内サンルームで創る、快適な家事動線でストレスフリー設計のコツでも詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。

 

3. 使い方に合わせた動線の考え方・特徴

家事動線を単純に短くするよりも、料理や洗濯といった家事を行うエリアごとに固めることに重点が置かれた考え方です。

ただ、そう言ってもリビングなどを挟んで離すことは少なく、階段の上下で料理エリアと洗濯風呂エリアを分けたり、通路を挟んでゾーン分けすることが多いです。

メリットとしては、例えば洗濯であれば洗濯に関わる部屋を隣接させることで、1つの作業に集中しやすいことです。

一方のデメリットは、家事ゾーンを分けたことによってお子さんの様子を常時見るのが難しくなることです。

解決策として、例えば家事室にいる時間が長くなるのであれば、見守りカメラを設置する・室内窓を設けるといった方法もありますが、どうしてもお子さんが小さい場合、デメリットの比重が重くなる可能性が高いです。

また、この考え方は計画性を持って順序よく段取りしながら家事を進めたい方が向いており、ご家族構成や考え方によって選んでみましょう。

3-1. ゾーンで分ける生活上の+α

家事動線をゾーンで分けるメリットはもう1つあり、それは家事を行う気持ちの切り替えができることです。

家事動線が離れていると、歩いて移動している間に ” 一息入れる ” こともできるため、家事動線をあえて離すことで「慌ただしい暮らしのリズム」を減らすことに繋がるのではないでしょうか。

夫婦で家事を分担する家庭が増えていますが、お互いの作業が細かい部分まで見えないことで(空間としては繋がっているが)、それぞれの ” やり方 ” が見えずストレスを抱えずに済む、という側面もあります。

また、場所が近過ぎると、ふたりで家事をしている時や、朝の忙しい時間帯などにぶつかりがちです。

夫婦・お子さん、お互いの雰囲気・気配は感じつつ、お互いのペースや個性を尊重する生活という選択肢もあっても良いと結では考えています。

もちろん、使いやすさと両立できる間取りが重要です。

 

料理と洗濯収納エリアを分けた家事動線の事例

出典:借景のある2階リビングの家

 

例えば城川原モデルでは、立地に対してリビングの心地よさを優先しており、料理のエリア(2階)と洗濯収納のエリア(1階)を階段を隔てて分離しています。

実際の使いやすさを考えて、城川原モデルでは階段がゾーンを分ける役割になっていますが、距離としてはそこまで離れていませんが、家事エリアとしては分離しています。

 

 

4.2つの家事動線は生活リズムに深く関係する

家事動線を考える上では、「どういったお困りごとを減らしていきたいか?」を考えると良いでしょう。

 

家事の時間を極力減らしてテキパキ動きたいのか、もしくは順序立ててゆったり暮らしたいのか、家事を含めた普段の生活リズムを振り返ってみましょう。

 

そして結では「今の状況」だけでなく、将来的にも使いやすい家を提案しています。

 

” 今 ” は子育て真っ最中で「家事の時間を極力減らしたい」と思っても、将来にわたって継続していくわけではない状況も考えてみると良いでしょう。

 

この2つの家事動線は、どちらが正解か?というものではなく、結ではお客様の考え方や間取り全体のバランスを考慮してご提案をしています。

 

新築は一生に一度の大きな買い物、と全部叶えたい思いもよくわかりますが、焦ってしまうと今しか見えなくなりがちです。

 

将来設計もふまえた本当に暮らしやすい生活を、結では焦らせることなく一緒に考えていきます

 

4-1. 生活リズムを今と変える・変えない

結での提案において、間取りや資金計画をご提案することはもちろんですが、暮らし方の提案を添えて、間取りを提案しています

 

その家でどうやって動いて、どこで落ち着いて等、実際の生活に落とし込んでみることで、実はこっちの考え方の方が合っていたんだ、という発見も多いです。

 

人それぞれの考え方、いつものリズム、そして生活の中における家事の仕方に合わせて間取りを考えていきましょう

 

今の生活とやり方を変える・変えない、という選択肢も非常に重要だと結では考えており、間取りは家事動線も含めて、生活していてストレスのない間取りがベストと言えます。

 

5.YUIの事例

最後に、結での事例を紹介します。

脱衣室・洗面所・サンルーム・ウォークインクローゼットを固めた家事動線

出典:シンプル&ナチュラルに暮らす家

 

こちらの事例は、脱衣室・洗面所・サンルーム・ウォークインクローゼットを1つに固めた事例です。

 

家事動線としても、どこの部屋からもアクセスよく作っており、洗濯にかかる家事を1箇所で集中的に片付けることができるようになっています。

 

また洗濯エリアをキッチンと隣接することで、料理のちょっとした合間にも作業ができる、短さとエリアの分け方を両立したような間取りになっています。

 

残念ながら、お施主様のご自宅の為、間取りは一般公開できませんが、気になる方は結の担当者にお声がけください

 

自慢の間取りになっており、きっと家事動線の参考になることでしょう

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