2025.07.11

新築で人気のキーワードでもあるシンプルな家にする方法を解説。シンプルなコーディネートを目指すと単調になりがちですが、そうならないための具体的なコツとして、「素材の違い・間取りでの工夫・照明計画・カラーコーディネート以外の要素」の4つをご紹介。
昨今はシンプルな家がSNSを中心に人気ですが、実は失敗などが多い分野でもあります。
シンプルを目指したものの地味になったり、なんとなく建売とそんなに変わらなくない?となってしまったり、そんな失敗がありえます。
こういった失敗に陥らないよう、コーディネートのコツを紹介していきますので、注文住宅でシンプルな家を考えている方は必見のコラムです。
それでは、今回のコラムの要点から見ていきましょう。
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・① 素材の違いで空間に変化を持たせること
・② 窓や吹き抜けなど、空間自体を地味でない設計に仕上げること
・③ 照明計画も重要で、空間に広がりを持たせることも、引き締めることもできる
・④地味にならないかどうか?はカラーコーディネートだけでなんとかできるモノではない
・外の空間の活用や、上質さを付加することで地味さは消える
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1. 素材の違いで空間に変化を持たせること
出典:ミニマムリッチに暮らす家|寺町モデル
シンプルな家にすること=色をたくさん使えない・使わない方向になってくるわけです。
シンプルにしようとして、例えば床も壁もホワイトにした結果、「なんか建売みたい」という失敗につながりかねません。
そうならないためには何に気を付けるのか?
1つ目は「素材の違い」がキーポイントです。
同じホワイトでも、クロスだけでなく石材や木材などを組み合わせることで、同系色であっても空間にアクセントが生まれて単調で無くなります。
※上図の施工事例では、塗り壁とクロスを使い分け
1-1. 単調とシンプルは違う
出典:静かな時が流れるアトリエハウス
単調とは同じような調子で変化がない様子を指しますが、建築で言うシンプルとはムダを省いたミニマル・プレーンといった様相を指します。
使っている素材(クロス・床材・造作部材など)で画一的なモノが多いと、単調な家になりがちです。
画一的な素材でコーディネートが変になることはありませんが、建売や賃貸住宅とあまり差が出ない雰囲気に近づきます。
一方、真のシンプルを極めたデザインは非常に難しく、素材や使う色も最小限に抑えながら、単調に見えない工夫を随所に織り込んでいきます。
前述で解説した素材の違いだけでなく、空間全体のたたずまい・照明・窓や外の風景など、様々な要素をバランスよく組み合わせます。
これらの設計に「正解」はなく、みなさんの希望される土地・要望・予算などによって千差万別であり、その調整をする仕事が設計やコーディネーターの仕事でもあります。
1-2. 空間を単調にしない事例
出典:静かな時が流れるアトリエハウス
上記の事例をピックアップして、単調になっていない理由を解説します。
全体をホワイトとグレーを基調色として統一していますが、床面はグレー、床より上の部分はホワイトに統一しており世界観を崩さずに仕上げています。
さらに同じグレーの部分でも、キッチン本体がモールテックスで造作仕上げとなっており、素材感の違いがしっかり出ています。
ここを壁付けのキッチンでグレーのクロスなどで仕上げてしまうと、少し単調感が出てしまう恐れがあります。
また、やさしい色合いの家具・小さな照明・柱の「木目」がアクセントとなることで、この空間全体のバランスを取っています。
この家具の色もミディアムな木目を選択していることで、全体のバランスを崩すことなく調和しています。
このように、素材感の違いや家具などで単調にしないための工夫はできるわけですが、なかなか一般の方でここまで配慮するのは難しいでしょう。
そのため、YUIでは最後の仕上がりや、住み始める時点のことまで考えて設計をご提案しています。
2. 空間自体を地味でない設計に仕上げること
出典:プライベートテラス広がるモダンハウス
地味にしないためのポイントの2つ目は、窓や吹き抜けなど空間自体を地味にしないためのコツが盛り込まれているかどうか?です。
色使いは最小限にしつつも、例えば窓を大きくとることで外の空間も内側に取り込むことができ、室内から見える風景で変化が起きます。
また四季の違いや昼夜の違いなども感じやすくなり、単調な空間になりにくいです。
吹き抜けも同様に、空間は高さがあることで広がりを感じることができるため、「地味」という要素からは遠ざかっていくわけです。
しかし、吹き抜けはコーディネート次第では「派手」になっていく恐れもあるため、バランスが大事です。
シンプルな家を求めていくと、同時に「上質さ」が求められます。
この地味でもなく、シンプルすぎることもなく、さらに上質感を感じられるためには、素材の違いに加えて、このような間取りや設計上のコツとの掛け合わせが大事です。
3. 照明計画
出典:ホテルライクな二世帯住宅
3点目は照明計画の重要性について解説していきます。
照明は空間に広がりを持たせることも、引き締めることもできる演出を担う大事なアイテムです。
特に大きな吹き抜けやLDKがある場合、この照明計画次第で大きく空間が変化します。
YUIでは、間取りやコーディネート全体から照明計画もコンセプトに合うように落とし込んで設計していきます。
上図での施工事例は、大きなインナーガレージとの間のテラス空間を活用した照明設計になっています。
外からは内側が見えない設計になっていることから、夜にカーテンをしなくてもよい工夫がされています。
外のテラス空間を照らすことで、室内空間とのつながりが一層深くなり、室内の空間を広げる役割を果たしています。
出典:ホテルライクな二世帯住宅
さらに、キッチン~ダイニングテーブルの上部には埋め込んだライン照明が印象的です。
全体的にスタイリッシュに仕上げていることから、照明器具自体の出っ張りなどもノイズとなってしまうため、埋め込むことで空間にマッチする照明となっています。
照明器具は辞典のような厚さのカタログになっており、選ぶ種類は無数にあるものの、どれを選ぶか?どんなふうに使うか?で、シンプルながらも空間に大きく変化を与えるアイテムとして重要です。
4. カラーコーディネートだけでなんとかならない
出典:暮らしの夢を叶える家
最後のポイントは、カラーコーディネート「以外」の部分です。
これまで紹介してきた、単調にしないためのコツ、間取りによる空間の変化、照明計画での工夫などに加えて、普段よく目にするカラーコーディネートも大事なポイントではあります。
ただし、地味にならないかどうか?その分かれ道は、単なる色の使い分けの問題ではなく、空間全体のコーディネートが大事になってきます。
よく、ベースカラー7:アソートカラー2:アクセントカラー1の黄金比という法則が言われますが、その黄金比に準ずることはもちろん、プラスアルファの要素が大きく空間を左右します。
その大事な要素とは「上質さ」です。
4-1. シンプルは上質であることで最上級の魅力を発揮する
出典:北から光が落ちる家|呉羽モデル
シンプルに、上質さを付け加えることで一層魅力的なデザインに昇華します。
地味なシンプルには、この上質さがなく空間としてなんとなくイマイチ感が出てきます。
価格の高いクロスや床材を使えばいいわけでもなく、空間全体の見せ方・中に入ったときの心地よさを同時に創り出す必要があり、実はかなり難易度の高いコーディネートです。
これは色の使い方だけでなく、細かい部分の納まりからくる上質さの有無が左右してきます。
例えばドアの納まり、カウンターの納まり、細かいところではありますが、納まりがキレイに仕上がっていると上質さが生まれて、シンプル×上質という空間の魅力が最大化します。
シンプルに上質さが上手く重なり合うと同時に地味さは消え、ごちゃごちゃした装飾感も必要ない空間になります。
シンプルな家を求めている方は、まさにこの上質さをまとったシンプルを求めているのではないでしょうか。
5. まとめ
出典:セカンドライフを叶える平屋
今回はシンプルコーディネートを目指した時、地味にならないためのコツを紹介してきました。
これらのコーディネートは、住宅会社側の力量で大きく左右される部分で、会社による違いが出やすいポイントです。
今までシンプルな家を見比べたときに、同じような色遣いをしているのに、なんとなく違うように見えた理由が少し垣間見えたのではないでしょうか。
YUIでは、比較的シンプルモダンなコーディネートで仕上げる家が多いですが、今回のコラムや施工事例を改めてご覧になっていただき、気になった方はお気軽にお問い合わせください。
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