2026.01.23

キッチンの形状はLDKの印象を大きく変えます。アイランド・ペニンシュラ・二型など、キッチン形状それぞれのメリットや特徴などをお伝えしていきます。SNSで見かけたから、ではなく実用性も考えご自身に合った形状を選ぶ参考にしてください。
先月のメーカー別のキッチン特集に続いて、キッチンの「形状」に焦点をあてて解説していきます。
キッチンと言っても、アイランドキッチン・対面型キッチン・二型キッチンなど様々な形状があります。
収納を考えるとベストな形状は?デザイン性を高めるにはどんな形状がいいの?
こんな疑問をお持ちの方に、専門的かつ読みやすい内容でまとめています。
それでは、今回のコラムの要点からお伝えします。
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・キッチンの主流の形態は、一般的に「アイランド」「ペニンシュラ」「壁付け対面」「二型」「壁付け型」の5つとされている
・アイランドやペニンシュラは、空間をオープンな形に設計しやすくデザイン性を高めやすい一方、収納や動線を設計でカバーしないと生活感が出やすくなる
・一般的には壁付けキッチンが多いものの、「壁」のデザイン次第で大きく見た目が変わる
・動線、スペースの有効活用などを考えると二型キッチンという選択肢もあり、調理家電などを多用する方にもおすすめ
・壁付けキッチンは、キッチンダイニングのスペースを最小化しやすく、二世帯やコンパクト住宅等で意外と採用があり、“昔っぽい”と決めつけずにフラットに考えることも大事
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1. キッチン形態の全体像
出典:敷地の個性を味わう平屋
一般的に「アイランド」「ペニンシュラ」「壁付け対面」「二型」「壁付け型」の5つがあります。
まずは、5つのメリット・デメリットを一覧表にまとめました。
| 形態 | メリット | デメリット |
| アイランド型 | ・家族とのコミュニケーションが取りやすい
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・もっとも広いスペースが必要
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| ペニンシュラ型 | ・対面スタイルで家族との会話がしやすい
・アイランドより省スペースで導入可能
・レイアウトの自由度が比較的高い |
・コンロ前の油ハネ対策が必要
・キッチン本体が高額になりやすい
・空間全体のコーディネートが意外と難しい |
| 壁付け対面型 | ・壁付け型の効率性と対面型の良さを両立
・キッチン本体の価格を抑えやすい
・手元を隠せて生活感を抑えられる |
・見た目のバランスを取りづらい
・壁のデザインに配慮する必要がある
・カウンター上が物置化しやすい |
| 二型 | ・作業スペースを広く確保できる
・カウンターが2つあり、多様な料理を楽しみやすい |
・通路幅をしっかり確保する必要がある
・キッチン本体のコストは高くなりやすい |
| 壁付け型 | ・もっとも省スペースで間取りを有効活用できる
・配管や換気がシンプルでコストを抑えられる
・調理に集中しやすい |
・家族との会話がしにくい
・生活感が出やすく、来客時に見えやすい
・調理中に背を向ける形になるため孤立感がある |
それぞれのキッチン形態には、空間の広さや暮らし方によって向き・不向きがあります。
たとえば、家族との時間を大切にしたい人には開放的な「アイランド型」や「ペニンシュラ型」が人気。
一方で、限られたスペースを有効活用したい人には「壁付け型」や「壁付け対面型」が実用的です。
また、「二型キッチン」は動線効率の高さから料理好きな人に選ばれています。
どのスタイルにもメリットと注意点があるため、デザイン性だけでなく、家族構成・間取り・暮らし方に合わせて最適なタイプを選ぶことが大切です。
それでは、キッチンの形態ごとに施工事例の写真を交えてポイントを抑えていきましょう。
2. アイランドキッチン
出典:平屋のように暮らす、インナーガレージの家 | 株式会社 YUI
アイランドキッチンは、その名の通り「島」のように独立した配置が特徴です。
YUIの施工事例でも、LDKの中心に家具のように鎮座するアイランドキッチンは、圧倒的な存在感を演出します。
そしてアイランドキッチン最大の魅力は、回遊動線です。
左右どちらからでもアクセスできるため、家族みんなで料理をしたり、配膳や片付けをしたりと、自然と人が集まる場所になります。
一方で、四方が見渡せる分、手元の隠し場所がないのが懸念点でもあります。
YUIでは、背面のカップボードを充実させて「見せる収納」と「隠す収納」を使い分けたり、パントリーを併設して生活感を隠す設計をご提案しています。
3. ペニンシュラキッチン(オープン対面キッチン)
出典:つながる間取り、広がる時間
アイランドキッチンの片側が壁に接しているのがペニンシュラ(半島)キッチンです。
開放感を保ちつつ、アイランドキッチンほど床面積を必要としない点がメリット。
アイランドにするほどのスペースはないけれど、開放感は譲れない!という方にとって、バランスの取れた選択肢と言えるでしょう。
また最近では、ダイニングテーブルをキッチンと並べて配置するパターンが増えており、配膳や片付けの動線を短くすることも可能です。(この配置は回り込むデメリットも考慮)
油ハネが気になる方は、コンロ前に透明なガラスガードや壁を設けることで、機能性とデザイン性を両立できます。
4. 壁付け対面キッチン
出典:【施工事例】畳リビングで結ぶ二世帯住宅 | 株式会社 YUI
キッチンの手元側に腰壁(こしかべ)を立ち上げた対面スタイルです。
フルオープンキッチンとは異なり、手元が隠れるという安心感があります。
洗剤やスポンジ、調理中の食材などがリビング側から見えないため、急な来客時などでも慌てる必要がありません。
また壁自体を造作で様々な形状にすることができるため、キッチン前にカウンターを付けたり、上図の事例のようにテーブルと一体化したような設計も可能です。
4-1. 壁の素材にこだわる
出典:暮らしを奏でる、音楽でつながる家 | 株式会社 YUI
さらに壁付けキッチンのポイントは、立ち上げた「腰壁」に様々なデザインを施して、アレンジすることができる点です。
こちらの事例のように、キッチン前の壁を質感のある素材(木目やタイル、モルタル調など)で仕上げることで、単なる目隠し壁がインテリアのワンポイントに変わります。
一般的なクロス仕上げにするのではなく、素材感を変えることで、空間にメリハリと上質さが生まれます。
4-2. 壁やカウンターの多様な使い方
出典:敷地の個性を味わう平屋
立ち上がり壁の厚みを利用して、ダイニング側にニッチ(飾り棚)を作ったり、調味料置き場(スパイスニッチ)を設けたりと、機能的な工夫も可能です。
また、上図の事例のようにカウンターを広めにとって、朝食や晩酌ができるバーカウンターのように使うなど、ライフスタイルに合わせた造作ができるのも、壁付けキッチンならではの楽しみです。
間接照明などは、他のアイランドやペニンシュラキッチンでは組み込みができませんが、壁付けキッチンであれば自由自在です。
5. 二型キッチン
出典:ホテルライクな二世帯住宅 | 株式会社 YUI
シンク側とコンロ側を前後に分けた配置で、漢数字の「二」から二の字キッチンと呼ばれます。
上図の施工事例でも採用されているこのスタイルは、実は料理好きのためのレイアウトとも言われます。
シンクで洗った野菜を振り返ってコンロへ…という動作が最小限で済むため、作業効率が非常に高いのが特徴です。
また、シンク側をアイランドのようにリビングに向けつつ、油汚れが気になるコンロ側は壁付けにする、という「いいとこ取り」も可能。
さらに作業スペースが2列分あるため、夫婦や親子でキッチンに立っても邪魔になりにくく、広々と料理を楽しめまるメリットがあります。
6. 壁付けキッチン
出典:開放的で美しいデザインの家
壁付けキッチン=古い、と思われる方は少なくないのではないでしょうか。
実は、壁付けキッチンを選ぶことで、LDKを最大限に広く使う設計が見直されています。
壁付けキッチンが壁に寄ることで、ダイニングやリビングのスペースを圧迫せず、空間を有効活用できるのが最大のメリットです。
壁付けキッチンであっても、背面の壁にアクセントとなるようなタイルを貼ったり、飾り棚を設けたりすることで、カフェのような空間演出も可能です。
振り返ればすぐにダイニングテーブルがある配置にすれば、意外と配膳もスムーズ。
「料理に集中したい」「限られた坪数でも広いリビングが欲しい」という方には、対面型から改めて検討してもよいスタイルです。








