2025.12.19

2026年の最注目の住宅向け補助金である「みらいエコ住宅2026」。全世帯対象のGX志向型住宅は最大110万円補助へ。前回の早期終了の教訓だけでなく、補助金額の変更点やスケジュール、補助金を活用する際の注意点・コツまで徹底解説します。
年末が差し迫る今、2026年に注目の住宅補助金制度の解説をしていきます。
2025年11月、新たな新築・リフォーム向けの補助金制度「みらいエコ住宅2026事業(Me住宅2026)」が閣議決定されました。
前年度の「子育てグリーン住宅支援事業」の後継となる制度で、今回は前回からの変更点や、賢い活用方法を紹介していきます。
2026年に家づくりされる方は必見の内容です。
まずは、今回のコラムの要点から見ていきましょう。
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・「みらいエコ住宅2026」は、2025年度「子育てグリーン住宅支援事業」の後継制度であり、2026年に新築される方は活用したい補助金制度
・「GX志向型住宅」は前回に続き継続で、子育て世帯に限らず「全世帯」が対象であるため、ご夫婦で40歳を超えている世帯などはGX志向型住宅を狙いましょう
・子育て世帯・若者夫婦世帯向けの「長期優良住宅(75万円)」「ZEH水準(35万円)」も継続
・2026年3月下旬〜4月頃の申請開始が予想されますが、申請を提出するには年明け早々には住宅会社との契約し、図面確定の打ち合わせに入らないと難しくなる可能性がある
・補助金はたしかに魅力的な政策ではありますが、“ 補助金をもらうための家づくり ” にならないように注意
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1. みらいエコ住宅2026の補助金額
まずは、皆さんが気になっている補助金額のまとめからお伝えしていきます。
1-1.新築住宅の補助額一覧
| 住宅タイプ | 対象世帯 | 補助額(富山県内) | 既存家屋の解体あり |
| GX志向型住宅 | 全世帯 | 110万円 / 戸 | 加算無し |
| 長期優良住宅 | 子育て・若者夫婦 | 75万円 / 戸 | 20万円加算あり |
| ZEH水準住宅 | 子育て・若者夫婦 | 35万円 / 戸 | 20万円加算あり |
「みらいエコ住宅2026事業」は、2025年度に実施された「子育てグリーン住宅支援事業」の後継となる、2026年の住宅市場で最注目の大型補助金制度です。
上記の表の通り、GX志向型住宅は110万円となる見込みで、昨年の制度に比べて減額にはなりましたが、それでも100万円を超える大型補助金であることに変わりはありません。
性能重視の家づくりをする方にとっては、依然としてメリットの大きい制度と言えます。
また、長期優良住宅・ZEHの場合では、既存の古い住宅(旧耐震基準など)を除却して建て替える場合の増額措置も継続されています。
古家の除却を伴う建て替えの場合、補助額は長期優良住宅で95万円、ZEHでは55万円となります。
実家の建て替えなどを検討されている方は、こちらの制度を活用するのもよいでしょう。
2. 「GX志向型住宅」について
2025年度の子育てグリーン支援事業で新設され話題となった「GX志向型住宅」ですが、今回の「みらいエコ住宅2026」でも継続して採用されます。
このカテゴリーの最大の特徴は、「子育て世帯・若者夫婦世帯」という年齢・家族構成の制限がないことです。
高性能な家を建てるのであれば、お子様がいない世帯やシニア世帯であっても補助金の対象となる、間口の広い枠組みです。
補助金額も最大額もらえることから、魅力的に映りますが少し注意点があります。
2-1. 性能アップに伴うコストとのバランス
以下はGX志向型住宅の補助金をもらうために必要な性能や条件です。
| 断熱性能 | 断熱等級6以上 | 富山県ではUA値0.46W/㎡・K以下 |
| 省エネ性能 | 一次エネルギー消費量等級8以上 | 削減率35%以上 |
| 太陽光発電 | 基本は必要※ | 富山県は全域が積雪地になっているため、太陽光発電無でも適用可 |
| HEMS | 必要 |
GX志向型住宅に適用するためには、断熱性能や省エネ性能、HEMSといった機器を導入します。
昨今は住宅資材価格が、どんどん値上がりを続けているため、この性能値まで上げていこうとすると、さらなるコスト増につながる可能性もあります。
「標準仕様」でGX志向型住宅に適合している、という場合であっても、当然このコストは加算されて計算されています。
そのため、住宅会社を選ぶときに見るべきポイントは、「標準仕様がGX対応しているかどうか?」ではなく「自分たちの予算および、求める性能値と合っているか」です。
長期優良住宅やZEHの基準である断熱等級5と、何がどれぐらい違うのか?といった視点で考えることは重要な視点です。
2-2. 昨年の制度では急激に終了し問題に
2025年度の子育てグリーン支援事業では、GX志向型住宅に対して160万円の補助がありました。
新設されたカテゴリーかつ補助金額が高額だったこともあり、注目度が高い状況から予算が急激に消化されました。
そのため、GX志向型住宅に合致する性能で設計していたにも関わらず、補助金がもらえない、もしくは長期優良住宅などに切り替える方が業界全体で多発して問題になりました。
今回の補助金制度では、そのあたりの対策が取られるか否かは、今後の発表次第ですが、補助金は「先着順」であることは理解して住宅会社と打合せをすすめましょう。
3. スケジュールなど他の条件をチェック
補助金を確実に受け取るためには、スケジュール管理が肝心です。
現時点で判明している条件を確認しておきましょう。
3-1. 基礎着工時期が基準
補助金の対象となるのは、2025年11月28日以降に基礎工事に着工した物件となる見込みです。
すでに契約済みの方でも、着工がこの日付以降であれば対象になります。
これから注文住宅を検討・検討中の方は問題ありませんが、建売を購入される場合はこの時期で対象になるかどうか確認しましょう。
3-2. 申請スタートは3月末頃予想ですが・・・
補助金の交付申請の受付開始は、例年の流れから2026年3月下旬頃と予想されます。
ただし、昨年の制度が踏襲されるのであれば、申請には「確認済証」や「性能証明書」などの書類が必要です。
GX志向型住宅を狙いに行くのであれば、受付開始と同時に申請できるよう、早めに書類作成の準備を進めておく必要があります。
しかし、3月スタートならまだ時間があると思われるかもしれませんが、家づくりには時間がかかります。
プランを確定するだけでなく、住宅ローンの審査や土地購入の手続き、そして最大の問題は確認申請(家を建てるための公的な申請)が長期化していることです。
以前は数週間程度で申請が下りていたものが、昨年の法改正の影響で全国的に3ヶ月程度要するようになっています。
この確認申請が下りないと「予約」もできなかったことから、前回の制度では混乱が生じましたが、今回はどのような形になるかはまだ不明です。
仮に前年と同じような制度なら、年明け早々には具体的なプランを固め、春〜初夏には着工できるような、かなり急ぎなスケジュールで動く必要が出てきます。※
※申請開始から数ヶ月でGX志向型住宅の予算が埋まることを想定し、GX志向型住宅を確実に取りに行きたい場合
昨年の制度の予算消化を見ていると、長期優良住宅やZEHは特に急ぐ必要はありませんが、GX志向型住宅は動きが非常に読みにくく、基本は「急かされる」と思っていて間違いないでしょう。
4. 補助金に引っ張られて失敗しないために
「GX志向型住宅」が継続されたことで、性能重視の家づくりが標準化しつつあります。
しかし、ここで注意したいのは「補助金ありき」になりすぎないことです。
4-1. 性能は「補助金のため」ではなく「暮らしのため」
補助金額が前回より下がったとはいえ、110万円は大きな金額です。
しかし、この基準をクリアするために無理な設計変更を行い、住み心地を犠牲にしては本末転倒です。
特に北陸のような気候では、単に断熱等級などの数値をクリアするだけでなく、冬の日射取得といった、地域に根差した設計も大事です。
YUIでは、補助金基準をクリアすることはあくまで目安とし、そもそものご家族の暮らしの満足感に重点を置いてご提案を行なっています。
補助金はたしかに魅力的な政策ではありますが、“ 補助金をもらうための家づくり ” ではなく、住んでいて心地よい空間をベースに考え、結果的に補助金がついてくる、ぐらいの感覚がよいでしょう。







